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特集「B級映画に愛をこめて」

2018年8月26日

特集「B級映画に愛を込めて9」⑪
ニューヨーク、愛を探して(2018年 群像劇映画)

監督 ポール・ダドリッジ

出演 スーザン・サランドン/シャロン・ストーン/ミラ・ソルヴィノ/クリスティーナ・リッチ

シネマ365日 No.2583

お母さん、ありがとう 

B級映画に愛を込めて

 すごい女優さん、たくさん出演している割に、まとまりのない映画だったわ。邦題が輪をかけていい加減ね。原題は「母と娘」。こっちが正解よ。それ以外何もないのだもの。でも「母と娘の絆」という不滅のテーマにケチつけたらシバかれそうだから、実感として「いいね」のセリフを追いますね。まずスーザン・サランドン。娘が恋人とケーキ屋の店を出したい、お金を出して、と母親に頼みに来る。男は銀行の融資は受けられないから、不仲の実家のお母さんに頼んでくれという要領のいいやつだ。母親は「いくら? 3万2000ドル! ケーキに?」へ、とあっけにとられる顔。コメディにもシリアスにも強いサランドンが、スクリーンの空気を一瞬で濃く塗り替える。娘役のエヴァ・アムリは実の娘です。「ダイアナの選択」出演は22歳でした。あれから11年、綺麗になっていてわからなかったわ▼母親はダメ男に入れあげる娘が可愛い。「あなたが生まれたとき、これほど愛しい存在がこの世にあることを知った。初めて胸に抱いたとき、時間が5分にも5時間にも、5週間にも感じた。いい意味でよ。確かに今まで高圧的だった。あなたが完璧すぎるから、ママは誇らしかったの」苦しい言い訳をする。娘はズバリ「過保護なの、ママは。もうウンザリ」「本当にやりたいの?」「子育てと両立できるかどうか」ママは飛び上がり、孫が生まれる! 早くもメロメロ。どんな諍いがあったって所詮母と娘は運命共同体よ。次。シャロン・ストーン。娘は養女だ。最近家に寄り付かない。女友達のそばにへばりついている。母親はファッション雑誌の編集長で、グラビアから抜け出たようにスタイリッシュだ。「彼女の学歴は?」「イェールに入ったのよ。でも白血病で入院したの」「あなたはプリンストン卒業よ」人生の栄光が用意されている。何をモタモタしている。尻をひっぱたきたい。シャロンは名門大学を出た娘が自慢、権威主義的でパワフルなママを好演します。娘は登録番号しかわからない実の母にメールする。これがミラ・ソルヴィノ。「スーザン、シャロン、ミラ」と並べると、「トラ、バッファロー、ウサギ」のイラストが浮かぶ。実母が自分と同じ建物に住み、シャロンの仕事をしている下着デザイナーだとわかった。「偶然よね」と娘。シャロン母は「母親は子供を探し出す能力が備わっているのよ。彼女はずっとあなたを探していたのよ」う〜む、なるほど▼クリスティーナ・リッチ、久々のスクリーン復帰。姉だと思っていたら母だった。母だと思っていた人は祖母だった。30年間もグルになって騙していた。ショックだ。家を出た。相変わらず不幸顔ですね。逆算すると母親は15歳で産んだことになる。そりゃ赤ん坊を自分の母親に預けて働くしか、ないでしょう。映画はとどのつまり「お母さん、あなたがいなかったら私は存在しない。自分を犠牲にして私を愛してくれた。私に強さを教え導いてくれた。あなたの強さに何度も救われた。いつもそばにいて私を守ってくれた。無条件に私を愛してくれたの。あなた以外に私の居場所はない。あなただけが私の故郷。あなたからもらった何もかもが愛しい」。これ、エンディングに流れる歌なのですけど、映画の内容をいい尽くしているのでパチリました。自分の母親のことみたい。せめて生きているうちに言ってあげたかった。でも、いま言うわね。「何度でも伝えたい、本当にありがとう」