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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2018年9月12日

特集「LGBT映画に見るゲイ10」261
オレンジ・イズ・ニュー・ブラック/同性愛お断り(2013年 テレビ映画)

監督 ジョディ・フォスター

出演 テイラー・シリング/ローラ・プレポン/ナターシャ・リオン/ロリ・ペティ

シネマ365日 No.2600

女はのしあがる

LGBT

 シーズン1だけで725時間、13エピソードです。「同性愛お断り」は第3エピソードのタイトルで、なぜ選んだかというと監督がジョディ・フォスターだったから。各編一話完結ではなく全てのエピソードが連結して延々と続き、現在(2018)シーズン7まで製作中です。女子刑務所という閉鎖空間はなんでもアリ。繰り広げられるイジメ、差別は食前食後の毎度のこと、セクハラ待ったなし、収賄あり、白人、黒人、ヒスパニックのグループが火花を散らし、ついには殺人。フラッシュバックで囚人たちの過去が入り、誰が好きで刑務所に来るものか、と泣かせる? いいえ、刑務所からさえお引き取り願いたいと願うすごい人もいるようです。フォスター監督、本編以後も数本撮っています。出演陣もなかなか隅に置けません▼ヒロインのパイパー・チャップマン(テイラー・シリング)のほか、「Go! Go! チアーズ」のナターシャ・リオン、「ガール・オン・ザ・トレイン」のローラ・プレポン、「タンク・ガール」「早熟のアイオワ」(脚本・監督)のロリ・ペティら個性派・実力派の顔ぶれが揃う。30代、ニューヨーク在住のパイパーは元ゲイ。10年前、麻薬密売人である恋人アレックスのために現金を運んだため突然15カ月の服役を命じられる。裕福な家庭で、婚約者ラリーもいたパイパーは服役するがそこは地獄の一丁目。彼女は刑務所で再びアレックスと関係を持ちラリーとの関係は微妙に。ラリーもまたパイパーの親友とできちゃう。キッチンのボスに睨まれ餓死寸前まで食事を絶たれるとか、看守に迫られるとか、狂信的な囚人に襲われるとか、刑務所の掟を知らなかったためにさんざんひどい目にあいますが、持ち前の頭のよさを発揮して、スリ寄らねばならぬ者にはスリ寄る。ご機嫌を取らねばならない者には取る。ラリーからお金を送ってもらい、囚人らが必要としている品物の情報を入手、素早く贈り物をする。ティッシュとかキッチンペーパーとか些細な物品が刑務所では貴重品です▼なりふり構わないセリフも連発。「ゆるくなっちゃう」「大丈夫、アソコは伸縮自在だから」「頭でも突っ込む気?」と思えば「秋の刑務所の庭はきれいね」「そうさ。私も紅葉を見るために服役したんだ」。トランスの囚人は「ホルモン剤が切れてヒゲが生えかけている」。キッチンのボスはいう「ここではルールがある。弱いと見なされた瞬間、弱者になるのだよ」。ゲイの女子は言いパイパーに言いよる「あなたの妻になりたいの」。彼女らに幻想はない。「やるならデブの看守だよ。バーガーかタバコをくれる。何が目的だい? まさか愛とか?」。パイパーは狡猾さを学ぶ。反撃するときは反撃する。うまいスープを作るためにキッチンのボス、レッドはニワトリを追いかけているが、看守が犬を放ったから諦める。パイパーはしかし「ニワトリはあなたを待っている。あなたに食べられるのを。犬が捕まえるのじゃない。ニワトリの夢を見て食べる人が捕まえるのよ。あなたよ!」託宣のような力強いパイパーの言葉に、レッドは元気付く。ことほどかように、本作は女子刑務所を舞台に描かれるパイパーの成長物語であり、裏切りと友情であり、アタマもカラダも知恵も筋肉も使い、愛憎を抱き込んで彼女がのし上がっていくサバイバルなのです。