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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2018年9月24日

特集「LGBT映画に見るゲイ10」273
愉楽への手ほどき(2018年 劇場未公開)

監督 ジャン=クロード・ブリソー

出演 フェビエンヌ・バーブ/イザベル・プリム

シネマ365日 No.2612

監督のジコチュー過剰 

LGBT映画にみるゲイ特集10

 人前では出しにくいジャケ写です。オープニングそうそう、手っ取り早く話が進んで女性二人のベッド・シーンに入ります。ジャン=クロード・ブリソー監督では「ひめごと」「はじらい」の二作をアップしましたが、どっちも何が言いたいのかよくわからなかった。なにしろ「カイエ・デ・シネマ」で一位になったとか、オーディションでわいせつ行為をした監督とか、彼の評価があっちこっち分かれるものの、熱烈ファンもおられますから、ありきたりの監督ではなさそう、ですがイマイチまとまりのつきにくい監督です。本作もこわごわ見たのですが、ゲイ映画とするよりファンタジーのジャンルですね。空間移動するヨガの達人とか、宙に浮かんでセックスする(幻影ではなく本物の)男女とか、本作に比べたら、前述の二作なんかまだわかりやすかったっていうべきです▼「まとまりがつきにくい」と書きましたが、ヒロインたちの職業が具体的にわかりません。クララは作曲家らしいけど。恋愛に職業は関係ないかもしれませんが、職業がはっきりしない人物像は描きにくい。精神科医の両親を持つカミーユは父親が死んで病院の後を継ぐことになります。彼女に関係する二人の女性、クララはルームメイト。ヤク中か何かで、もうろうと街を歩いていたカミーユを家に連れてきて養生させ、社会復帰できるまで置いてあげているそう。つまり同棲している。カミーユは出先で拾ったケータイを返すため、連絡をつけた持ち主がスージー。彼女は自撮りであられもないポーズを撮っているのですが、何ゆえの行為か、いくら考えても意味がわかりませんでした。彼女の婚約者は2530人いて第一候補は58歳。若い男は嫌いだ、父は57歳で死んだ、とセリフそのものが混迷に誘い込む。スージーが「私を抱いて」というものだから、カミーユは(お言葉に甘えて)とベッドに。スージーはあれこれ注文をつけながら(これが「愉楽への手ほどき」なのでしょうか)、二人は夢中。クララが帰ってきたのにも気がつきません。じ〜とその様子を見ていたクララはおもむろに服を脱いで割って入る。さらに盛り上がる▼そこへドンドンとドアを蹴破りそうな音が。開けると大男のオリヴィエがスージーを追いかけてきた。女三人で追い出すと、大男は泣いたり喚いたりしながら、彼女らの部屋の窓を見上げる歩道に座り込み、大声をあげる。近所迷惑だからクララが「私が話をつける」と外で出て行く。タクシーを呼んで男を詰め込み、あらら、自分も一緒に男の部屋に行き、スージーに振られて世をはかなんでいる大男を慰めるのだ。スージーはクララの紹介でヨガ師トントンに会う。彼は空間移動する。テーブルにいたと思ったら隣の部屋に移り、話しかけようとしたらもう目の前に座っている。好きにしてくれと言いたくなる映画です。クララが仲を取り持ってスージーと大男は宙に浮いて抱き合う。カミーユは病院経営のため親の家に戻る。つまりはクララとカミーユの愛の物語でもない。スージーがオヤジ萌えを卒業して若い大男とカップルになってよかったねって映画か。人間にもいるでしょ。付き合いにくいやつだな〜という人が。ジコチュー過剰の映画は付き合いきれん。