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特集「最高の悪役」

2018年9月30日

特集「最高の悪役3」⑤ レネ・ソーテンダイク
EVE/イヴ(1991年 アクション映画)

監督 ダンカン・ギビンズ

出演 レネ・ソーテンダイク/グレゴリー・ハインズ

シネマ365日 No.2618

哀れだった 

特集「最高の悪役3」

 アメリカ政府が極秘に開発していた女性型アンドロイドEVE8の運用実験中、被弾したEVEが戦闘モードのまま逃走した。彼女の体内には核爆弾がセットされており、危機を察知したら時限装置がスイッチオンになり、街ごと吹っ飛ばす核兵器に変わる。開発者のイヴ・シモンズ博士(レネ・ソーテンダイク)とテロ対策スペシャリスト、マックエード大佐(グレゴリー・ハインズ)がイヴの阻止に当たる。イヴは博士の外観、記憶までプログラムしたクローンだ。博士が過去に受けた男や父親の虐待の記憶をたどり、トラウマの根源を断とうとする。彼女を阻止するには「心臓や血液は見せかけ、出血では死なない。頭蓋骨は特殊保護されていて、致命的な部分は眼球。目の奥に回路が集中している」▼イヴは弾丸250発と赤いレザージャケットを購入し、北カリフォルニアに向かった。バーに入り男たちの欲望を煽る。部屋に入り男が「そばに来い、ビッチ」と呼ぶと目がギラリ。「その言い方やめて。傷つきやすいの」「悪かったな、売女」。部屋に絶叫が響き渡る。次にイヴはパインヒルモーテルとネオンの上がったモーテルで車を駐車させ、追跡してきた警官5人を殺す。現場に来た博士は「彼女がここへ来た理由がわかる気がする。昔わたしはこの近くに住んでいた。この店に入りたかったけど、勇気がなかった。娼婦の溜まり場よ。いつも想像を巡らせた。イヴはここで娼婦の真似をしたはず」。大佐「君の10代の時の性的願望をイヴが実行したと」「そうよ」「君の分身は欲求不満のサイコパスだ。あんたのアンドロイドは5人の警官を殺し5人の未亡人と父親のない子供を作った」。イヴはさらに博士の記憶を辿る。父親はDV男だった。母親に暴力を振るい、小さい女の子だった博士を「ビッチ」と罵った。これがイヴの異常な反応の根源になっている。車の激突のショックで核爆弾のスイッチが入った。24時間以内に阻止しなければならない。イヴはなおも博士の父親を襲い、息子を元夫から取り返すべくニューヨークに向かう。決戦はニューヨークの地下鉄だ▼イヴは大佐に右目を撃ち抜かれ一時停止するのですが、それだけでは完全でなく、右目はない、右腕もちぎれた、皮膚は炎上して焦げ付いている、かろうじて赤いジャケットだけは判別できる、凄惨な姿となって襲ってきます。最後の一撃は博士自ら脳天にパイプを打ち込んで完全停止。爆発数秒前で作動ストップしました。本作の売りは「ハイヒールを履いたターミネーター」でした。無感情なイヴが次々人を殺していく。しかし彼女は最初からそう設計されていたのです。完全を期したアンドロイドに制御装置がない、というのもおかしな仕組みですが、すべての抑制装置が取り払われたイヴには何の障害もない。人間から見ると狂気の暴走ですが、イヴからするとプログラム通りにすぎない。人間の利害損得と覇権主義遂行のために作られた完全兵器は、メカニズムの粋だった。あまりにも精緻なイヴの機能は、ご都合主義丸出しの人間の措置に「お前たちこそ容赦はしない」と、危機感知スイッチを作動させたうえの激発であるようにさえ見える。完全最高の美しいメカが、くず鉄みたいに、ボロボロに破壊されていくのが哀れだった。

 

特集「最高の悪役」

2018年9月27日

特集「最高の悪役3」⑤ レネ・ソーテンダイク
EVE/イヴ(1991年 アクション映画)

監督 ダンカン・ギビンズ

出演 レネ・ソーテンダイク/グレゴリー・ハインズ

シネマ365日 No.2618

哀れだった 

特集「最高の悪役3」

 アメリカ政府が極秘に開発していた女性型アンドロイドEVE8の運用実験中、被弾したEVEが戦闘モードのまま逃走した。彼女の体内には核爆弾がセットされており、危機を察知したら時限装置がスイッチオンになり、街ごと吹っ飛ばす核兵器に変わる。開発者のイヴ・シモンズ博士(レネ・ソーテンダイク)とテロ対策スペシャリスト、マックエード大佐(グレゴリー・ハインズ)がイヴの阻止に当たる。イヴは博士の外観、記憶までプログラムしたクローンだ。博士が過去に受けた男や父親の虐待の記憶をたどり、トラウマの根源を断とうとする。彼女を阻止するには「心臓や血液は見せかけ、出血では死なない。頭蓋骨は特殊保護されていて、致命的な部分は眼球。目の奥に回路が集中している」▼イヴは弾丸250発と赤いレザージャケットを購入し、北カリフォルニアに向かった。バーに入り男たちの欲望を煽る。部屋に入り男が「そばに来い、ビッチ」と呼ぶと目がギラリ。「その言い方やめて。傷つきやすいの」「悪かったな、売女」。部屋に絶叫が響き渡る。次にイヴはパインヒルモーテルとネオンの上がったモーテルで車を駐車させ、追跡してきた警官5人を殺す。現場に来た博士は「彼女がここへ来た理由がわかる気がする。昔わたしはこの近くに住んでいた。この店に入りたかったけど、勇気がなかった。娼婦の溜まり場よ。いつも想像を巡らせた。イヴはここで娼婦の真似をしたはず」。大佐「君の10代の時の性的願望をイヴが実行したと」「そうよ」「君の分身は欲求不満のサイコパスだ。あんたのアンドロイドは5人の警官を殺し5人の未亡人と父親のない子供を作った」。イヴはさらに博士の記憶を辿る。父親はDV男だった。母親に暴力を振るい、小さい女の子だった博士を「ビッチ」と罵った。これがイヴの異常な反応の根源になっている。車の激突のショックで核爆弾のスイッチが入った。24時間以内に阻止しなければならない。イヴはなおも博士の父親を襲い、息子を元夫から取り返すべくニューヨークに向かう。決戦はニューヨークの地下鉄だ▼イヴは大佐に右目を撃ち抜かれ一時停止するのですが、それだけでは完全でなく、右目はない、右腕もちぎれた、皮膚は炎上して焦げ付いている、かろうじて赤いジャケットだけは判別できる、凄惨な姿となって襲ってきます。最後の一撃は博士自ら脳天にパイプを打ち込んで完全停止。爆発数秒前で作動ストップしました。本作の売りは「ハイヒールを履いたターミネーター」でした。無感情なイヴが次々人を殺していく。しかし彼女は最初からそう設計されていたのです。完全を期したアンドロイドに制御装置がない、というのもおかしな仕組みですが、すべての抑制装置が取り払われたイヴには何の障害もない。人間から見ると狂気の暴走ですが、イヴからするとプログラム通りにすぎない。人間の利害損得と覇権主義遂行のために作られた完全兵器は、メカニズムの粋だった。あまりにも精緻なイヴの機能は、ご都合主義丸出しの人間の措置に「お前たちこそ容赦はしない」と、危機感知スイッチを作動させたうえの激発であるようにさえ見える。完全最高の美しいメカが、くず鉄みたいに、ボロボロに破壊されていくのが哀れだった。