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特集「ベストコレクション」

2018年10月7日

特集「秋たけなわのベストコレクション」⑦
ミッション:インポッシブル6/フォールアウト(2018年 アクション映画)

監督 クリストファー・マッカリ

出演 トム・クルーズ/ヘンリー・カヴィル/レベッカ・ファーガソン

シネマ365日 No.2625

「M:I」は不滅です

秋たけなわのベストコレクション

 アクションの危険度レベルが高くなっています。過去最大にまでアクションシーンが増えています。質量ともにミッションシリーズ最高と思いますが…(が…)と煮え切らない書き方をしたのは、壮絶アクションに次ぐアクションで(あ、まだやっている)ということで、わたし、寝てしまったのです。トムが命がけでスタントしているというのに、ファンの風上にも置けぬ、と自分を叱りつけたのですが、本音を言うと、案外これが今後の最大課題になるのではと思っております。思えばドバイにある世界最高層ビルによじ登る、離陸するエアバス輸送機のドアにしがみつく、ありとあらゆる危険なアクションシーンを「本物」にこだわり、自分自身でやってきたのがトム・クルーズです。「イーサン・ハントは僕のライフワーク」という、文字通り、俳優生命を賭けた気迫と情熱がなければできることではございません▼ところが見る方は超絶アクションが麻薬みたいに作用して、過激な上に過激なシーンを期待する。やがてトムはいつ、どこでイーサン・ハントに別れを告げるのだろう。思うに彼は死ぬわけではなく、宇宙か深海か、人間の到達しえない領域に挑戦し、ミッションは果たしたが、生死いずれかの判断は難しく、遠い空か深淵の海がスクリーンに広がり(この向こうにイーサンは去ったのよ)という幕引きになるのではないか。そんなことを考えてしまいました。ああ、滅相もない。雑念に煩わされず本作を楽しもう。本作はイーサンチームにCIAから派遣されたお目付役ウォーカーが加わりました。ヘンリー・カヴィルです。ご存知「マン・オブ・スティール」のクラーク・ケント、つまりスーパーマンです。苦味のあるハンサムな容貌に身長184センチ。アクション映え、すること、すること。トムが食われないだろうか、それともイーサン・ハント後継者の前振りか。これまた余計なことでした。トムがイーサンを演じる自信と誇りは小ゆるぎもしません。「M:I」ファンは、トムの新しい役作りをチェックするのもさることながら、彼が俳優人生の核とした、映画への情熱に共鳴しているのですから▼本作で長い一本道を全力疾走するトムに衰えはない。足首骨折の後遺症も見せない。トムのファンって男性や若い女性だけじゃないの。映画館が今みたいなシネコンになる以前、映画館とは一軒建てで、入り口のチケット売り場で一人、一人切符を買って入館していたのです。私の前に並んでいた年配の婦人が小さな窓口を覗き込み「ほら」と、壁のポスターを指し「あの子の映画やけど」「ああ、トム・クルーズですね」「トム、来るぞ? いいや、トム。クルーズですねん」笑ってはならない。彼女はきっとトムが好きなのだ。あのひたむきな一生懸命さは、国籍性別年齢を問わず、彼を好きにさせるオーラを放っているに違いない▼愛と友情と自己犠牲。感動の三点セットが「M:I」にはあります。イーサンは情に厚く、無用の殺しを嫌がる。本作では女性警官を消さねばならないシーンがある。「去ってくれ、頼む、ここから黙って消えてくれ」イーサンは後ろのウォーカーに聞こえないよう小声で頼む。ウォーカーはイーサンの優柔不断が勘弁できぬ男だ。ズバン、警官を撃つ。「許してくれ」とイーサンは言い残す▼チームのルーサーによれば、イーサンが愛した女性はただふたり。妻のジュリアと「君のことを想っている」とイルサに教える。前作から引き続きレベッカ・ファーガソンがイギリスの諜報員に。ま、イーサンは彼女が好きなんですってよ! ジュリアは辺境の地で患者を助ける女医。イーサンと別居したのち別の男と結婚したから、次はレベッカの出番か。次々いい女が現れるなんて。イーサンは星の王子さまか。ファンのあくなき関心と期待によって「M:I」は、もはや不滅の域に近づきつつあります。