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特集「劇場未公開」

2018年10月21日

特集「劇場未公開」⑦
フランス特殊部隊(2016年 コメディ映画)

監督 ダニー・ブーン

出演 アリス・ポル/ダニー・ブーン/ミシェル・ブラン

シネマ365日 No.2639

痛快な女、ジョアナ

特集 劇場未公開

 男手ひとつで育てた娘が警官となり、警察の中の精鋭中の精鋭、特殊部隊(RAID)への合格を夢見て朝の5時から筋トレをやる。婚約者エドワードは欧州一のタイヤ企業の跡取り息子だ。彼の父親も母親も警官とか特殊部隊とか、一日も早く諦めて欲しいがヒロイン、ジョアナ(アリス・ポル)は馬耳東風。パパ、ジャック(ミシェル・ブラン)は内務大臣だ。そう、ジョアナは内務大臣の娘である。パパは娘を諦めさせるには特殊部隊の猛訓練でネをあげさせ、自ら辞めるように仕向けたい。友人であり、特殊部隊の責任者であるルグランに手筈を頼む。ルグランは「これほど適性のない人は珍しい。警官の素質すらない。あらゆる成績はオール落第です」。パパは娘の悪評価に顔をしかめ「そうか。RAIDの予算増額はやめるよ」▼入隊許可を得たジョアナは水を得た魚、と言いたいがドジばかり。射撃はド下手…なのか名手なのか、彼女の弾丸はすべて標的の股間に命中しているのだ。訓練を指導するフロワサー(ダニー・ブーン)は妻が実の兄と駆け落ちして以来ウツである。彼と組んだ相棒は怪我するか死ぬかゆえ、厄病神というあだ名で呼ばれる。彼はジョアナの入隊に真っ向から反対する。「女を許可するなどあってはならない。女は無責任で不器用、認識が甘くトラブルのタネです。ムラ気で体力気力に劣り、男の感情を撹乱させます」「命令だ!」とルグラン。パパはセルビアのテログループ「レオパール」があちこちで暴れているのが頭痛のタネだ。早く逮捕しろとルグランの尻を叩くが、テロ現場に駆けつけた途端、ドジするのが我が娘だった。どんな失策にもジョアナはめげない。敵のアジトにも最初に突っ込み、銃弾戦を制するまでになった。陽気で仲間思いで、だんだん腕を上げてきたジョアナに、ルグランやフロワサーの見る目が違ってくる。ある日婚約者のエドワードが切り出した。「やめよう」「何を?」「結婚さ。理由? これだよ」底上げブーツを脱ぐと身長差は段違い。「なぜ黙っていたの」「言ったら殴られそうで怖かった。でも気がラクになったよ」「お母様には何と」「心配ない。慣れているから。それより君のパパには?」「慣れているからいいの」▼ラストはジョアナの奇襲に続き、古城の国際会議場になだれ込んだRAIDがレオパールを一網打尽。フロワサーの女性不信も治り、ルグラン部隊は晴れて大統領表彰に預かる。アリス・パルは「セザンヌと過ごした時間」でゾラの妻を演じました。ダニー・ブーンは監督、脚本、舞台もやるフランスの国民的コメディアンです。パルとの共演に「バツイチは恋のはじまり」があります。それと是非この人を。パパ役のミシェル・ブランです。彼もまた監督、脚本、俳優をやる才人で、代表作はいくつもありますが、パトリス・ルコント監督の「仕立屋の恋」をあげたい。女に裏切られる男の一途な愛を演じました。三枚目であるが無邪気で痛快なジョアナが受けて、大ヒット作となりました。