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特集「意外な代表作」

2018年10月26日

特集「意外な代表作2」③ ダコタ・ファニング 
宇宙戦争(2005年 SF映画)

監督 スティーヴン・スピルバーグ

出演 トム・クルーズ/ダコタ・ファニング/ティム・ロビンス/ミランダ・オットー

シネマ365日 No.2644

ダメパパとその娘 

特集「意外な代表作2」

 ダコタ・ファニングのいくつかの作品を見て思うのは、彼女の年齢の人生経験ではとても難しいと思える役を自然体でこなしていること。とても老練なのよ。7歳でデビューして、大監督や大物俳優と共演して、女優としての栄養を吸収してきたのだろうけど。でも本作は、そんなダコタには珍しく年相応の役です。年齢も11歳だったし、この年で大人びた役も無理だけど。両親が離婚し、母親メリー(ミランダ・オットー)がお産で実家のボストンに帰る間、パパの家に預かってもらう兄妹。兄ロビーが高校生くらいで、妹レイチェル(ダコタ・ファニング)は小学生未満か。パパのレイ(トム・クルーズ)は荷揚げのクレーンのオペレーターだ。一人暮らしが身につき、子供を押し付けられるのが迷惑千万とでもいいそう。食事は「出前を取れよ」だから兄妹もなつくはずがない。トムが妻に逃げられたダメパパを演じます▼ある日不気味な雷と共に地球外生物が出現した。磁気嵐によって電気は止まりケータイも使えず、車は動かない。雷がなんども同じ場所に落ち、ひび割れた地面から三本脚のうねうねした巨大な物体「トライポッド」が出現した。腕らしき物から光線を発し、建物も車も人も粉々にしてしまう。トライポットが動くとその地域の通信は途絶え陸の孤島と化す。トライポットのマシーンは地球ができて以来何百万年も地中に埋め込まれていて、マシーンを操る地球外生物は、時期到来と判断し雷光と共にカプセルで降りてきたというのだ。原作はH・G・ウェルズの古典「宇宙戦争」です。レイは盗んだ車で脱出を図るが、難民に車を奪われる。父親に馴染めないロビーは「どうせ僕らをママに押し付けて自分は逃げるのだろ、このエゴイスト」とひどいことを言われるが、本人も納得しているらしい。でも子供たちを守らねばと、パパはこれでも必死なのです。ロビーは侵略者を戦うといって父親の制止を振り切り、州軍に加わる。レイはレイチェルと共に妻の実家ボストンを目指します。野原は焼けただれ、川には死体が流れてくる。空き家の農家に逃げ込むと、先に避難していた救急車の運転士ハーラン(ティム・ロビンス)がいた。何気に大物俳優が出てきますね▼ダコタ、いやレイチェルが恐怖のあまり金切り声で叫ぶたび、癇癪を起こしていたパパも、だんだん父性愛を取り戻す。死と隣り合わせの危機にあって自分以外に娘を守る者はいない。ストレスと緊張で錯乱したハーランをやむなく殺します。ハーランが言うには「大阪では一体を倒したそうだ。日本人が、だぞ。奴らにも弱点はあるんだ」。大阪で、というところが面白い。ハリウッドでも大阪人の「いてまえ」スピリッツは通用したのでしょうか。マシーンが蛇のような触覚を伸ばし地下室をサーチするシーンの緊張感。すごい▼レイチェルもレイもマシーンの胴体部に吸収され、レイが手榴弾を爆発させるとマシーンは操縦不能となって、捕虜たちを地上に吐き出した。宇宙人でもえずくのですかね。地球外生物の弱点は地球に生息しているバクテリアだった、彼らは微生物に対応できず自滅する。マシーンからにょろにょろと差し出された腕と三角形の頭はまるでE.Tの古手です。解決はお手軽だったけど、小気味良いテンポと、天井しらずの予算が組めるスピルバーグの威光で、特撮の興奮度100%。レイチェルは宇宙人をやっつけたパパをすっかり見直し、先にボストンに到着していた息子も(都合よすぎる展開だけど)、パパの勇敢な危機脱出に感じ入り、パパ株急上昇でエンド。何があっても娘の手を放さなかったトム・パパと、いきなり「トイレ」と言ってパパを焦燥させる、ダコタの取り合わせがグッドでした。出番は少なかったですが、ママ役のミランダ・オットーは「女と女と井戸の中」や「シン・レッドライン」「ミッション・ワイルド」など、幅広い役をこなす演技派です。

 

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