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特集「偏愛力」

2018年11月19日

特集「偏愛力5」①
リゾーリ&アイルズ7/ファイナル(上)(2016年 テレビ映画)

出演 アンジー・ハーモン/サッシャ・アレクサンダー

シネマ365日 No.2668

天下無敵のバディ 

偏愛力7

2010年7月から始まり2016年9月まで、シーズン1〜7まで、6年に及んだ人気シリーズもいよいよファイナルとなりました。何がよくて全部見てきたか。いくつか理由はあるのですが、結局面白かったから、に落ち着く。男性バディものは犯罪ドラマの定番だが、美人のキャリア・ウーマン二人をヒロインに持ってきた、リゾーリ(アンジー・ハーモン)はボストン市警初、最年少で刑事昇進を果たした敏腕刑事で、アイルズ(サッシャ・アレクサンダー)は事件の裏を死体から読む検視官。どちらも市警バリバリのエースが凶悪犯罪にいどむ。カッコいいのだ。1970年代の「チャーリーズ・エンジェル」、80年代の「ギャグニー&レイシー」、サンドラ・ブロックは女子バディものを「デンジャラス・ビューティ」以来、自分のレパートリーの一つとしてきた▼ことほどさように、女同士が助け合うのはそんなに人気を得るものなのか、そんなに稀な現象なのか(笑)、いやいや、普通レベルの助け合いはどこでもあるし、人間のたちの悪さをいえば女だけとは限らない、男も似たようなもので、多少のいじめや気にくわない奴は大抵の職場にいる。しかしリゾーリとアイルズの理解と思いやりの深さは別次元だ。といってゲイではない。なんというか、剣の達人がもう一人の達人を認め、信頼し、オシッ、こいつのためならどんなことでもやってのけるぜ、という相互分身の関係なのだ。デュエットなのである。一人では成り立たないがアイルズがいれば、リゾーリがいれば、どんな難事件も解決できる。アイルズの検死結果に疑問を呈する人物に、リゾーリはさらりと言う「アイルズは間違わない」。リゾーリが敵中、単身潜入するときなど、科学者であり医師であるアイルズが、お百度でも踏みそうである。そんな二人の関係を見る、孤独な女たちの視線には羨望がある。どだい、寂しさを感じたことのない女が世にいるだろうか。だから「リゾーリ&アイルズ」はもてるのである▼彼女らがワンダーウーマンかといえばちがう。リゾーリは上司の指示を無視するし、強情で気難しくエゴイスティックだ。こんな女がそばにいたら辟易する。リゾーリには高卒であるというコンプレックスが付いて回った。回った、と過去形で書くのは、アイルズはリゾーリのこよなきメンターであり、アイルズから見て(しょうもな)と思うことでリゾーリが悩んでいるときは必ず、神のごとき明晰な判断を与え、リゾーリは自分を取り戻す。同様なことはアイルズにもある。彼女は本作で小説執筆を試みており、読者はたった一人、リゾーリだ。試作を送った第一章は編集者から酷評された。自分には才能がないとしょげるアイルズに「私は面白かったわ。バカな編集者が何を言おうと、自分を信じればいいのよ」。蛮勇をふるう(こともある)リゾーリの直言によって、アイルズは勇敢に第三章まで書き進める。アイルズの異母妹が腎臓疾患で移植が必要だった。それまで面識もなかった彼女のために、アイルズは自分の腎臓を摘出するという。リゾーリは仰天する。ヒューマンなアイルズの決断を多としながらも(そこまですることない)と、自分の腎臓でもないのに反対する。どっちもタフでハードな仕事をやってのけるが情にもろいのだ。ここも女に好かれる。世界が敵に回っても、一人味方がいる。親子ではない、夫婦でもない、姉妹でもないが、自分以上の自分かもしれない、こんなバディがいたら天下無敵だ。