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特集「B級映画に愛をこめて」

2018年12月15日

特集「B級映画に愛を込めて10」①
セキュリティ(2017年 アクション映画)

監督 アラン・デロシェール

出演 アントニオ・バンデラス/ベン・キングスレー

シネマ365日 No.2694

最後の任務 

B級映画に愛を込めて10

 「ブラック・バタフライ」でしょぼかったバンデラス君が持ち直しました。大尉で除隊した元軍人エディが彼の役。帰米したものの1年間、仕事はなし。どんな仕事でもいいから働かせてくれと紹介所に頼み込む。働かなければ気がヘンになりそうだ、妻子だって養わなくちゃいけないし、ボロ車は壊れかけだ、何としてでも収入が要る、必死で訴えるエディに同情した担当官は、条件は悪いがと断った上で、最低賃金のモールでの深夜勤務を回す。雨の土砂降りの夜中にたどり着いたエディは、4人の同僚に紹介された。男3人、女子1人。「いっちゃ悪いけど、田舎のショッピングモールに、4人の警備員は多すぎないか」というエディの質問に、風紀の悪い場所だからだと、上司のヴァンスは言う。風紀が悪いどころか、その夜のうちにモールは地獄になるのだ▼まず少女が助けを求めて転がり込んできた。次に父親だと名乗る男が「娘を返してくれ」とやってきた。これがチャーリー(ベン・キングスレー)だ。迎えにきたにしては人相のよくない男がゴロゴロ。彼らはギャングに雇われた武装集団で、裁判の証人である少女ジェイミーを殺すのが目的だ。どっこいエディはその手に乗らない、少女の名前は、年齢は、趣味は、歯の治療は、と確かめるうちに偽親父はボロを出し、面倒だ、全員始末しろ…警備員たちは慌てふためく。エディは、少女の失踪は警察にわかっているはず、時間を稼げば警官隊なりFBIが来ると落ち着かせる。素人集団である籠城組はでも、エディの指揮の元、頑張るのです。ショッピングモールのおもちゃの通信機や、痴漢撃退用のスプレーやら、あるいはバット、レンチ、とにかく武器になりそうなものを手にし、守備位置につく▼表のシャッターを難なく破った男たちが、暗いフロアをシラミ潰しに探して回る。奇襲攻撃よし! 得体の知れない液体や個体が降ってきたり、ビビビとショックだけの銃でやられたり。しかし多勢に無勢。脱出しようとした若いジョニーが撃たれ、紅一点のジェイミーが刺され、責任者のヴァンスも被弾する。残る一人、メイソンもやられた。生きているのはエディと少女だけだ▼アントニオ・バンデラスって、どこかアラン・ドロンの「キザ学」に通じる共通項があります。自分がどう映るか熟知した上の一挙手一投足なのだ。ここが見せ場となると、翼のように両腕を広げ、二兆の拳銃をぶっ放しながら飛鳥のように舞い降りてくる。当たるはず、ないだろ。ボコボコにやられるのだけど、決してあきらめない。「ダイ・ハード」と「ターミネーター」もかくや。少女は「エディ、私を守ると約束して!」…女って年齢不問で自分のことしか考えないのね。エディは決意する「ここで少女を守るのが俺の最後の任務だ」。泣かせるよ、バンデラス君。ベン・キングスレーはあの鷲鼻をそびやかし、怒り狂います。B級もいいところなのですが、最後までたるまないのが立派。好漢バンデラス、老け顔にも味わいが出てきました。