女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「B級映画に愛をこめて」

2018年12月21日

特集「B級映画に愛を込めて10」⑦
沈黙の大陸(2017年 劇場未公開)

監督 タン・ビン

出演 スティーブン・セガール/マイク・タイソン

シネマ365日 No.2700

チョイ出し「肉弾戦」 

B級映画に愛を込めて10

 スティーブン・セガールとマイク・タイソンの超絶アクションを期待してもダメ。ジャケ写の売り文句「最強VS最狂」は詐欺に近い。出だしの数分で二人が対決(らしきもの)をするのだけど、セガールはちょこちょこと合気道の型を見せ、タイソンは元ヘビー級チャンピオンらしからぬ余興のようなドタバタでした。本作の主役は敵陣をしずしずと進む中国国旗ですね。舞台はアフリカの架空の国。ラウダー(スティーブン・セガール)はバーを経営しながら武器の密輸も請け負う裏の顔を持つ。国の通信インフラ整備の入札に欧米の企業とライバル関係にある中国の企業がせめぎあう。中国への妨害工作やら、独立国家の樹立を目指すカバ(マイク・タイソン)が絡み、攻防が二転三転する。民族問題とか、世界規模の通信インフラの制覇とか、壮大で複雑なテーマの割に、最後の決着は銃そしてお定まりの恋愛になるのが(せいぜいその程度)というものにしている▼セガールは最初と終わりにちょいと顔を出すだけだ。タイソンとの肉弾戦もない。あっても負けるだろうとしか思えないけどね。タイソンの鋼鉄のような肉体に比べ、異様な激太りは年齢による代謝の衰えを考慮せず、昔ながらの食生活を多分続けているのだろう。190センチ以上ある身長に、肉がついたら巨大な豚まんみたい。おまけにパンパンに膨れた肥満顔は、セガールの容貌をすっかり怪異にしてしまった。加えてセクハラ・レイプの訴えで彼の映画活動は一気に低迷。薄毛まで追い打ちをかけ黒々・ふさふさの劇中の頭髪はカツラだというもっぱらの話だ。そんなことでしか話題提供できなくなったことが悲しい。これは中国映画だから当然といえば当然だけど、敵に囲まれた危機を、国旗をかざして切り抜ける。主人公ヤンは協力者のフランス人女性とゴールインする。彼の助手だったアジア人女性はどこまでも男の「お手伝い」とは、これってどうなのよ。ロシア政府の要請で対米関係を担う人道的分野の特使に任命されたそうだけど。セガールのライフワークさながらの「沈黙」は、しかもこの映画の不作は、もはや本作を持ってファイナルに至るのか、という予感がする。劇場未公開やむなし。