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特集「最高のビッチ」

2019年1月26日

特集「最高のビッチ7」⑥ヒラリー・スワンク
ブラック・ダリア (2006年 事実に基づく映画)

監督 ブライアン・デ・パルマ

出演 ジョシュ・ハートネット/スカーレット・ヨハンソン/アーロン・エッカート/ヒラリー・スワンク

シネマ365日 No.2736

闇世界の女 

特集「最高のビッチ7」

 主演はジョシュ・ハーネットとスカーレット・ヨハンソンでしょうが、準主役に回ったヒラリー・スワンクとアーロン・エッカートがよかったです。アーロン・エッカートは「ハドソン川の奇跡」のイケメン副機長です。1947年ロサンゼルスで実際に起こった猟奇事件を元にしています。ブライアン・デ・パルマ監督らしい、犯罪の隠微な空気がスクリーンに立ち込めています。ただ元ボクサーでいま刑事の、バッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)が署内の拳闘試合を介して特捜部の相棒同士となる、そこまでに時間がかかりすぎ、肝心の殺人事件以後が後手に回った恨みがありました。ボクシング・シーンが迫力あったからいいようなものですけど▼女性の遺体はお臍から真二つに切断、口から耳まで切り裂かれ内臓を抜く残酷な手口。殺されたのはエリザベスという、女優を目指してハリウッドに来て、ポルノ女優をやっている。バッキーはセレブの女性たちが遊ぶレスビアンバーで、ひときわ目立った黒いドレスの女に惹かれる。彼女はマデリン(ヒラリー・スワンク)。ハリウッドを開発した不動産王エメリットの娘だ。デカがいる、と気付いたマデリンはバーを出ようとするがバッキーに止められる。スキャンダルを恐れたマデリンにバッキーはいいより、二人は関係する。女も女だけど刑事も軽いわね。バッキーはリーと暮らす元娼婦のケイ(スカーレット・ヨハンソン)にも惹かれている。ケイは「リーとは寝ていない」らしい。バッキーとリーは親友、ケイは真ん中に位置して程よい距離を男たちと保つ。でもバスタブから出たまま薄物一枚で佇んでいたり、リーがバッキーを誘惑しているのはありあり。リーは事件にのめり込み、ケイに当たり散らし、家の中は暗い。おまけにリーが捜査中に死んで、当然ケイとバッキーはできちゃう▼バッキーはマデリンが怪しいと追い詰め、エメリット一家の犯罪と懶惰な関係を知る。それを告白するのが母親ラモーナだ。これがフィオナ・ショウです。ハリポタの伯母さん役が知られていますが、「マイ・レフトフッド」の医師、「ツリー・オブ・ライフ」の祖母役などが記憶に残る。本作では彼女が現れるとドキッとするような異常性を帯びています。エリザベスを殺したのは夫の友人ジョージイと自分だ、マデリンはジョージイとの間にできた子だと告白しラモーナは銃で自殺します。エメリットは妻の自殺を金で揉み消す。ジョージイはリーとの格闘でビルの屋上から墜落死していた。しかし墜落前にリーを狙撃したのはマデリンで、それを知ったバッキーはマデリンを射殺し、ケイと結ばれる。スカみたいにうまくいくケイとバッキーに比べ、銀行強盗の金をピンハネして自宅に隠していたリーは、横領をネタに情報屋に揺すられ、彼を殺すため親友バッキーを利用したワルです。マデリンは殺されたエリザベスの女友達と「一度寝た」と言いますが、二度か三度かそんなもの、誰にもわからない。わかっているのは夜な夜なレスビアンバーに現れ女を買い、湯水のごとく父親の金を使って愛する人間に出会えない寂しい女であること。出会った刑事バッキーも他の女を心で思い、自分とは体だけの、いじけた男だった。昼の世界で努力する「ノーマル派」の男女二人と、いつの間にかアブノーマルの世界に入り込んでしまった二人の男女の対比。一本道をまっすぐ進む、努力家の役が多かったヒラリー・スワンクが、屈折した闇世界の女に頑張りました。