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特集「最高のビッチ」

2019年1月30日

特集「最高のビッチ7」⑩ マチルダ・ルッツ
REVENGE リベンジ(2018年 アクション映画)

監督 コラリー・ファルジャ

出演 マチルダ・ルッツ

シネマ365日 No.2740

豪速球ストライク

特集「最高のビッチ7」

 まさか「告発の行方」調に落ち着くのでは、という一抹の恐れは見事に吹っ飛ぶ。コラリー・ファルジャ監督、切れがいいというより情け容赦のない演出で最後まで引きずります。セレブ男リチャードと不倫中のジェニファー(マチルダ・ルッツ)は男と一緒に砂漠の別荘に来る。狩猟仲間二人が合流し、リチャードのいない隙にマチルダをレイプする。戻ってきたリチャードは事を荒立てずに「忘れろ」。ジェニファーは逃走する。警察に通報されたら禁固15年を食らう、始末しようと決めジェニファーを追い詰め崖から突き落とす。突き出た枝で串刺しにされたジェニファーをせせら笑い、去る。翌日死体を確かめに現場に行くとジェニファーは姿を消していた。重傷の身で自力脱出したのだ。軽い普通の女の子だったジェニファーは女子ランボーと化す▼グサッと突き刺さった枝をそのままにして、洞窟に避難したジェニファーは、ペヨーテ(幻覚剤)を口に。効果覿面、痛さを感じない。枝を引き抜き、缶ビールのアルミ箔を切りとり、炎で消毒して血がどくどく出ている傷口にペタッ。気絶する。翌朝目覚めるとお腹にはビールのロゴマークの鷲がタトゥーのようにくっきり。ジェニファーは上半身ほぼ裸に素足。ますますランボー的。息の根を止めるため男たちは車で追跡し、一人は車に残り、残りは二手に分かれる。夜の焚き火にあたっている一人に近づき銃を奪い撃つが空砲。「ふん、俺様が弾を込めたまま銃を置きっぱなしにすると思うか」あわや返り討ち。ジェニファーは男のナイフをさっとぬきとり眼球にグサリ。突きまくり絶息させ川に流し、次。車にいた男の発砲でジェニファーは耳タブをえぐられる。砂漠の砂と汗と血で夜叉も裸足で逃げる形相となる。男を追い詰め(銃に弾丸はしっかり込めた)スイカのように頭を撃ちわる。さて三人目。さすがに強敵でジェニファーも傷を負う。トドメを刺そうと男がジェニファーを壁に押し付け憎々しげに歯の間からこう呻く。「女ってのは面倒な争いをやる。この俺に従っておれば勝ち組になれたのに、お前は挑んできた」ジェニファーは男を突き飛ばし、床の銃で心臓を撃つ。ジェニファーのラストの台詞が監督の言いたかったことです▼リアリズムで見るとむちゃくちゃですがファルジャ監督は問答無用。どこにでもいるフツーの女の子が劇的変化を遂げる。監督の意図は暴力肯定にあるのではなく「再生と復活は無傷では得られない、痛みと暴力を伴うものよ、タナボタで強くはなれないの、しっかりしな」という全女性への(ちょっと大げさか)メッセージが込められています。彼女は本作が監督デビュー。長編第一作です。従来の女優アクションと言えばそれなりのストーリーの中にヒロインは嵌め込まれていたのですが、本作の物語性は「レイプされた、くそゥ、生かしておくものか」これだけ。監督の豪速球直球勝負に技あり。