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特集「おっさんズ」

2019年2月3日

特集「おっさんズ」③ ニコラス・ケイジ3
バンコック・デンジャラス(2009年 アクション映画)

監督 オキサイド&ダニー・パン

出演 ニコラス・ケイジ

シネマ365日 No.2744

ラストで締めた

特集「おっさんズ」①

 ニコラス・ケイジは2018年12月、マカオ国際映画祭のオープニング・セレモニーにタレント・アンバサダー(広報大使)として出席し祝辞を述べました。彼は「フェイス・オフ」でジョン・ウー監督と組み、本作では製作・主演を務め、アジアへのシンパシーには深いものがあります。彼の4人目の奥さんは韓国系アメリカ人で、彼女の実家には自家用ジェット機で帰ったそうです。浪費家であるとか、借金まみれだとか、いろんな噂は聞くのですが、私この人が大好きでして「リービング・ラスベガス」でアカデミー主演男優賞をとって以来、候補にすらならず映画賞を足蹴にし、B級にアディクトしていることに一種のダンディズムを感じるのです。だいいち、彼の映画はエンタメの粒ぞろいです。ニコラスが出るなら面白い…なかなかこうは言わせられないものよ。「キック・アス」だって、彼が出ない続編「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」は格落ちだった▼本作のとき彼は45歳でした。精悍です。ルキノ・ヴィスコンティに「郵便配達は二度ベルを鳴らす」があります。流れ者の青年安食堂に来る。女主人が似た者同士のカンで青年の欲望のオーラを感じる。剥き出しのたくましい肩を「馬みたいな肩ね」と言います。「コン・エアー」でニコラスが刑務所で懸垂しているシーンでこのセリフを思いだしましてね。つまり私はまず彼の筋肉に惚れ込んだのであります。それから11年、衰えのないアクションをみせてくれて感激。でもな、映画の主人公にはちょっと失望したけどな。世界的スナイパーとして仕事を遂行する「4つのルール」をジョー(ニコラス・ケイジ)は自分に課していました。①質問するな②堅気と交わるな③跡を残すな④引き際を知れ、なのです。ところが現地の若い男コンを弟子にする、理由が「彼の目の中に過去の自分を見た」というのだ。次に薬局の聴覚不自由な女性に好意を持ちデートする。百歩を譲って「人間にはつきものの愛」としよう。しかし愛には弱みもつきものだ。ジョーの仕事にはためらいが混じり、ゴルゴ13のような完成度は崩れる▼ところがどっこい、ニコラスはラストで態勢を立て直す。人質になったコンとその恋人を救出し、コンの裏切りに等しいゲロに目をつむり「早く国を出ろ」と逃がし、悪党のボスを車の中に追い詰める。パトカーが周囲を取り巻き、アリの這い出る余地もない。しかもジョーは被弾している。是非に及ばず。ジョーはガシッと悪党の首を横抱きにし、自分の頭を貫通する銃弾で悪党の頭を撃ち抜く。難しい顔ばかりしていたニコラスが、恋人と激辛のバンコク料理を食べ「ホット、ホット」と手まねで伝えるシーンなんか、愛くるしいまでの笑顔を作る。ニコラスはよく見ればハンサムだとわかります。途中ちょっとアマアマになったけど、壮絶なラストの締めで◎。