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特集「おっさんズ」

2019年2月4日

特集「おっさんズ」④ ブルース・ウィリス1
ルーパー(2012年 SF映画)

監督 ライアン・ジョンソン

出演 ブルース・ウィリス/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/エミリー・ブラント

シネマ365日 No.2745

ブルースおじさん 

特集「おっさんズ」①

 どこが違うのだろう、と思うのよね、いつも。この映画で「やっぱりブルースだな」と思うのは、両手に短機関銃を持ってぶっ放しながら通路を歩いてくる、それだけで「…」と見惚れる。わたし特にブルース・ウィリスのファンじゃないのですけど、そんなこと言ったら、ニコラス・ケイジにしても同じです。でも彼らがスクリーンに現れるとたちまち別の世界が表出する。強盗でも金庫破りでもヒットマンでも役は問わない。いやな野郎だ、と思いながら口上に引き込まれる一級の講談師とでもいうか…ついでだからいうと、役者というのは詐欺師に似ている。本体は別にあるのだけど、皮膚と同じ第二の皮膚を持っていて、着脱自由。カメレオン俳優と言われる人たちがいるけど、それとも違う。役に成り切っているわけではない。モノホンと役の境界を明らかな意識の元に、自由自在にすり抜ける技を持つ種族。彼らの意識はとても明晰で、自分が求められている動きを狂わせない。目線、目配せ、またたき、手と指、声。通路を無造作に進むブルース・ウィリスの歩速は、これより早すぎてはいけない、遅くてもいけない、これがベストと主張している。騎馬で疾駆するランボーは手に手榴弾を持っていた。どうせ放り投げるのだから、単なる拳骨でもよさそうなものを、シルベスタ・スタローンは馬上で右腕を水平に伸ばしていた。なんたるええかっこシイだ▼本作のストーリーは混みいっているようで簡単です。時代は近未来の2044年、タイムマシンで未来から送られてきた標的を殺す、殺し屋ジョー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)の元に、未来の自分が送られてきた。オールド・ジョーとしよう。これがブルース・ウィリスです。彼は妻を迎え、幸福に暮らし初老となった。そこへタイムマシンを犯罪に使うボス、レインメーカーの部下が襲撃し妻は殺される。オールド・ジョーはタイムマシンに乗り込み、過去に戻ってレインメーカーを殺してやると誓う。それによって妻の未来の殺害は防げる。ヤング・ジョーは送り込まれた人間を殺す役でルーパーと呼ばれる。彼は未来の自分を殺さないと自分が所属する組織から殺される(30年後の自分を始末してループを閉じるのがルーパーの掟になっている)ので、躍起になってやってきたジョーの行方を探す。レインメーカーは10歳の少年だった。彼の母親がサラ(エミリー・ブラント)。サラって名前、サラ・コナーズ(「ターミネーター」)へのオマージュでしょうか▼ヤング・ジョーはループの連鎖が復讐しか生まないことを見極め、たちきるため銃を自らに発砲し、死ぬ。サラと少年を殺すのが目的だったオールド・ジョーは未来の自分が消滅したことにより現在からも消え去り、サラは亡きジョーの遺体に別れを告げエンド。過去現在未来を頻繁に交錯させ、巧みなシーンの切り替えで飽きさせません。アイデアもよかったと思いますが、なんといっても映画に重量感を与えたのはブルースおじさんよ。何人かかってこようが敵は「みな片付けた」というワンフレーズが決まっている。ジョゼフ・ゴードン=レヴィットは特殊メークでブルースと似た顔になっています。メークアップ・アーティストは辻一弘です。