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特集「おっさんズ」

2019年2月8日

特集「おっさんズ」⑧ デンゼル・ワシントン1
トレーニングデイ(2001年 社会派映画)

監督 アントワーン・フークア

出演 デンゼル・ワシントン/イーサン・ホーク

シネマ365日 No.2749

俺は「愚直」でいく 

特集「おっさんズ」

 デンゼル・ワシントン47歳の作品。極上トロのように脂が乗っています。彼の役はベテランのロス市警麻薬捜査官アロンゾ。新人刑事のジェイク(イーサン・ホーク)のトレーニングデイである一日、夜明けから深夜までのストーリーです。アロンゾが「パクった連中の服役年数は1万5000年以上」勲章ものの刑事で、ジェイクはアロンゾに憧れるが…「現場を経験させてやる。俺は38件の裁判と63件の事件の調査、250件の未解決事件、5人の部下を抱えている。使い物になりゃお前が6人目だ」「時には汚いこともイヤなこともしなきゃならん。それが麻薬捜査官の仕事だ。イヤなら無理強いはしない。やるならお前を1年以内に出世させてやる。腹を決めろ」「頭の中の理想と現実の溝を埋めていくうちに罪悪感も薄れる。麻薬捜査では相手の信頼を得るため違法行為もする。それを乗り越えて初めて上の世界も見えてくる。悪党どもをやっつけろ」▼力強く響くアロンゾの文言に、ジェイクは「あなたに従います」。ところがだ。彼がやるのは偽令状による違法捜査、「信頼を得た」麻薬の売人を撃ち殺し「友人でしょ!」責めるジェイクに「あの男はロスで一番大物のヤクの売人だ。殺されて当然だ」。別の情報屋の家に乗り込んだ時は、彼が蓄えた金を床下から押収し、うち100万ドルを「手数料だ」と横領する。二人のゴロツキにレイプされようとしていた高校生をジェイクが助けに入った。散々殴られたがなんとか倒した。逮捕しようとするとアロンゾは「放っておけ。仲間内で勝手に始末する」麻薬捜査官にとってはレイプなど犯罪のうちに入らないらしいのだ。ジェイクは女の子が落としていった学生証を拾って(返してやろう)とポケットに入れた。これが後で彼の命を救う。ジェイクはアロンゾに「お前はいい目をしている。俺の後継者だ」なんて言われ喜んでいたが、だんだん彼が疑わしくなる。そしてついにアロンゾの正体を知る。彼はベガスでロシアマフィア相手にドジを踏み、今夜12時までに100万ドルを用意しなければ命がなかった。彼はそのために情報屋を殺し、金を奪ったのだ。それを知るジェイクを始末するため、ギャングのグループに連れて行って置き去りにする▼連中のリーダーがジェイクをバスタブにつけ殺そうとした。ジェイクのポケットを探り女学生の写真を見つけ「これは俺の従妹だ。なぜこれを」ジェイクから訳を聞き、従妹に確かめ本当だとわかると「お前は従妹の恩人だ」とジェイクを解放した。ジェイクはアロンゾ逮捕のため自宅に急行する。男性にはアロンゾが魅力的に映るのかしら。冒頭から間もなく、アロンゾとジェイクがカフェに入ります。朝食かコーヒーかを頼んで、アロンゾが自説を開陳し、ジェイクに「払っとけ」。女ならここで幻滅ね。(エラソーでセコイこの人が、ホントにすごい刑事なの?)と「?」点滅しまくりよ。スタート点がそうだから、そもそもアロンゾがジェイクに言う数々の訓戒など(お前は俺の後継者だとか)新入りを懐柔する飴のバラマキの典型だとすぐわかる。こういう上司どこの会社にもいますよ。経験豊富でワイルドなベテラン捜査官でも、凄みを利かしたできすぎの話しなんて、女にはハッタリズムにしか見えないわ▼でもそれがこの映画の値打ちを下げているとは思いません。デンゼルがツッパリながら引っぱっていくアロンゾを二重底・三重底で演じていたし、なんといってもイーサン・ホークの正義感あふれる警官魂がよかったわ。デンゼルが油ぎっていたから、彼の草食系男子がよけい爽やかでトクしている。俺は愚直でいく、そういう男らしさがあって。