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特集「おっさんズ」

2019年2月9日

特集「おっさんズ」⑨ デンゼル・ワシントン2
マイ・ボディガード(2004年 犯罪映画)

監督 トニー・スコット

出演 デンゼル・ワシントン/ダコタ・ファニング/クリストファー・ウォーケン

シネマ365日 No.2750

涙腺決壊よ 

特集「おっさんズ」

 140分の長尺だけど、シーンをビシビシ入れ替えてサスペンスを盛り上げていく。惜しいことにトニー・スコット監督は本作の8年後自殺します。彼の映画は孤影を引くヒロインの「ドミノ」のように、どこか群れを拒否する主人公が印象的で、本作も例にもれず。クリーシー(デンゼル・ワシントン)は米軍対テロ対策部隊に所属していましたがアルコール中毒で現在も酒浸り。友人のクレイバーン(クリストファー・ウォーケン)がボディガードの口を紹介します。一日4件の誘拐が発生するメキシコが舞台。9歳の小娘ピタ(ダコタ・ファニング)のボディガードなんか、ハナからバカにしているクレーシーは必要最小限度の会話しかピタと交わさず、どうしてそう無口なのとピタが訊くと「自分の仕事は護衛です。おしゃべりの相手ではありません」剣もホロロです▼母親のリサは娘に新しいボディガードはどうかと尋ねる。「クマみたい」「どうして?」「大きくて寂しそう」。クマのぬいぐるみにピタは「クリーシー」と名前をつけた。「ピタはクリーシーが好きみたいよ」とリサは夫のサムに言った。水泳大会で3位止まりのピタは1位になりたい。泳ぎを見ていたクリーシーは「スタートを早くしろ」とアドバイスした。つききりで練習しピタは見事優勝。クリーシーは日頃の仏頂面を置き忘れ、抱き合って喜ぶ。ダコタ・ファニングが敵なしの可愛らしさです。ピタが誘拐された。クリーシーはいち早く襲撃の現場からピタを逃したが、被弾して倒れた彼を見てピタが叫び、引き返したところを車に拉致されたのだ。重傷のクリーシーに身代金受け渡しの現場で犯人の甥が射殺され、犯人は怒って人質を殺したと伝えられた。「ピタは俺に新しい命を与えてくれた。クズ男の俺を生まれ変わらせてくれた」ピタがいつも持っていた手帳に子供らしい大きな字で「私を愛してね。クマのクレーシー」そう繰り返し書いてあった。退院したクリーシーはリサを訪ね「奴らを殺します。事件に関わったやつ、甘い汁を吸ったやつ、みんな殺す」。クレーシーがピタによって人間らしい心を取り戻すのが前半、後半はリベンジ一直線です▼誘拐にはピタの父親が関与していた。借金漬けの状態から抜け出す金が欲しくて顧問弁護士の計画に乗ったこと。ところが彼らは警察ぐるみの組織だった。クリーシーはレイバーン協力で万全の武器を調達します。拳銃、機関銃、ライフル、バズーカ砲。カシカシッと安全装置を確認し、ベルトに挟む美しい大型自動拳銃。冷たい鋼鉄が死の影を映す。夫が誘拐の黒幕だと知ってリサは叫ぶ。「この人を殺して」。クレーシーは夫のそばに拳銃を置いて去る。銃声一発。クレーシーは犯人を追い詰めたものの胸を撃たれていた。それでも犯人に迫る「待て。子供は生きている。俺は商売人だ。簡単に殺しはしない」「証拠を見せろ。彼女が持っているクマの名前はなんだ」しばらく間があり「クリーシーだ」間違いなかった。「子供の命と引き換えにお前の命を渡せ」。交換の橋の上。小さなピタが「クリーシー・クリーシー」叫びながら、転びそうになりながら走ってくる。膝を折って抱きとめたクリーシーは「ママが待っている。あの車だ。見えるだろ」「クリーシーは?」「俺も家に帰る。青い河へ」。青い河とは劇中の挿入歌です。死んでやっとたどり着く安らぎの青い河。命と引き換えに少女を守り抜いたクリーシーは約束通り犯人の車に同乗し、目を閉じます。涙腺決壊よ。デンゼルの作品には無駄玉がないわ。プロとはこういうものだと思わせてくれる。若いとき職業を転々としながら「多くを学んだ」と彼は言っていたけど、その最たるものは、決して自分を安売りしない誇りと自信だったと思う。

 

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