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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2019年3月11日

特集「映画に見るゲイ11」285 
ミスエデュケーション(上)(2018年 ゲイ映画 劇場未公開)

監督 デジリー・アッカヴァン

出演 クロエ・グレース・モレッツ

シネマ365日 No.2780

自分を憎むのに疲れた 

特集「映画に見るゲイ11」

 クロエちゃん、がんばりました。ヒロインは地味で引っ込み思案な高校生キャメロン(クロエ・グレース・モリッツ)です。プロムの会場を抜け出て、プロムクィーンのコリーと車の中で強烈に抱き合っていたら彼氏に見つかる。「信じられない、最悪だ」と言って彼氏は去る。キャメロンは同性愛矯正施設「神の家」に送られる。ホント最悪になったわね。時代は1933年。ゲイは治療の対象だった。全寮制の施設には高校生くらいの同性愛の子ばかりがいる。代表者マーシュ博士は聖書が服を着て歩いているような女性です。授業を担当するマック神父は「ここでなら君は変われる。神の弟子になれる」と励ますのですが、彼の説教はキャメロンに胡散臭くて仕方ない。(私、変わらなくてもいいもん)と内心思っているが、内気なので口に出して言えない▼でもキャメロンの行動は違います。同室のエレンと最初の夜、早速コトに及ぶが見回りの懐中電灯で「パッ」と照らされアウト。寮生の個室まで監視するか。入寮者たちがいろんな情報を与えてくれる。自称「ジェーン・フォンダ」。本名なのだけどみな偽名だと信じている。「マックは昔、同性が好きだったけど長年かけて治したのだって。今はベサニー先生と恋人同士よ。お似合いね」。そう言われてもキャメロンには「無理している」としか映らない。マック神父は氷山のイラストをキャメロンに与え「同性への関心は氷山の一角にすぎない。君がここへ来た原因を共に探ろう。ご両親との関係は?」「とっくに死んでいます」。彼女の両親は交通事故で急死した。以来叔母さんが育ててくれた。「罪を克服する最初の一歩は自分を同性愛者だと思わないことです」「思ったことありません。私はただの私です」。おとなしいが芯の強いキャメロンは力まずそう答える。ヘレンは聖歌隊のヴィッキーへの執着で聖歌隊を追放された。少数民族のアダムは母親との手芸が好きな子だった。ジェーンはドラッグと酒で若くして身を持ち崩したみたい。スティーブは「男に惹かれたが行動に移すつもりはなかった。でも想像だけならいいだろうと自分でやった」みな何かしらのコンプレックスにまみれている▼キャメロンはジェーンとアダムと三人でハイキングに行った。ハイキングは「性を問わない」から許されるそうだ。変な規則。キャメロンは「地元の彼女の話をしろよ」促されてコリーのことを言った。「聖書の授業で会った。完璧な子よ。でも自惚れていない。彼女に会ったら誰でも友だちになりたいと思うはず」ジェーンは(ふうん)。彼女から見るとそういう子は偽善の塊なのだ。キャメロンが質問「SSAってなに?」キャメロン「セイム・セックス・アトラクション(同性への関心)だよ」アダムが教えた。キャメロン「神に祈りを捧げるたびウソをついている気分なの。どうしたら信仰が得られるかどうかもわからない」。アダム「僕は男の魂と女の魂を持って生まれてきた。僕の中の男は女に殺されたのだ」。ジェーンは口の悪い女子だが聞くときは黙って聞き役に回る。キャメロンはそんなジェーンと気が合う。寂しくなってコリーに電話した。彼女は手紙を書いたというが一通も読んでいない。ある日博士がコリーの手紙を渡してくれた。「友情を利用したあなたを軽蔑するわ。私はストレートよ」。キャメロンの同性愛をタレ込んだのはコリーだった。それでもキャメロンは言うのだ。「彼女が正しいかも。私は彼女の友情につけ込んだだけかも」。ジェーンはコリーの便箋をひったくりビリビリ「ピンクの便箋女なんて忘れて。根性のない女。あんたに毒されたにせよ、密告なんてサイテーよ」「私のためにと書いたのよ。彼女は私たちよりいい子よ。なのに傷つけた。もう自分を憎むのに疲れた」。思い余ったキャメロンは叔母に電話して迎えに来て欲しいと頼みますが「あなたもいつか家族が欲しいでしょ。もう少し頑張るのよ」なにに頑張るのだ。自分が間違っている、治療が必要、正しい神の道はどこ、私はだれ。自分を否定する毎日。さらに大きな悲劇が起こった。