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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2019年3月12日

特集「映画に見るゲイ11」286 
ミスエデュケーション(下)(2018年 ゲイ映画 劇場未公開)

監督 デジリー・アッカヴァン

出演 クロエ・グレース・モレッツ

シネマ365日 No.2781

私はただの私 

特集「映画に見るゲイ11」

 モーリスもまた家に帰りたいと父親に手紙を書いた。返事が来た。「帰宅を認めるにはお前はまだ弱々しい。この家の恥だ」。マークはグループ・セラピーの席で聖書の言葉を読み上げた。「主は言われた。私の恵みはあなたに充分である。私の力は弱さの中に完全に表れるからである」そしていきなり床に頭を打ち付け「だから弱い私は強いのだ、強いのだ」錯乱した。その夜自殺を図った。現場の発見者アダムは「カミソリで自分の性器を何度も傷つけ傷口に漂白剤をかけた」重傷だった。この場所はおかしい。キャメロンの心に不信が渦巻く。矯正方針とは自分を否定し今の自分を憎ませることでしかない。精神的虐待ではないか。キャメロンはコリーとの情熱的なひと時を夢に見る。同室のエレンに起こされる。「どうしたの」「悪い夢よ」「そういう声じゃなかったわ。いいわ、続きをしてあげる」この映画、けっこうユーモラスなところがあるのです▼ジェーンとアダムとキャメロンは決めた。「バンの鍵を盗んだら朝にはカナダだ」。バンは盗めなかったけど、三人はトラックをつかまえ荷台に乗って逃走した。バイクに乗ったイケメンがそばを走る。「ほら、声をかけてナンパしなよ」とジェーンがアダムをからかう。キャメロンはジェーンの肩にもたれ目を閉じた。先はどうなるかわからない。わかっているのは「私はただの私」でいることを捨てないことだ。初めから終わりまで同性愛を全面に出し、社会と当事者の間にある深いギャップを取り上げています。慎重に、でも妥協しないキャメロンに好感が持てます。ジェーンも魅力のある女の子です。彼女はゲイではなく、ドラッグかアルコール依存症で入所したのだと思われますが、施される「矯正」がインチキだと本能的に感じている。コリーを「ピンクの便箋女」と一刀両断したシーンなど、お人好しのキャメロンにはない嗅覚を発揮しています▼デジリー・アッカヴァン監督(女性です)との仕事で刺激を受けたクロエは、兄と共同で短い映画を監督するのだと言っていました。兄さんはゲイを公表しています。クロエは本作の役作りのため、1年ほど女優休業しました。共演者に恵まれています。「キャリー」ではジュリアン・ムーア、「ダーク・シャドウ」でエヴァ・グリーン、「アクトレス」はジュリエット・ビノシュにクリステン・スチュワート、「イコライザー」でデンゼル・ワシントン、「キック・アス」はニコラス・ケイジ。コロコロして太りやすい体質みたいですが、それさえ気をつけたら天下無敵ね。