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特集「ベストコレクション」

2019年4月3日

特集「桜貝見つけた/4月のベストコレクション」③ 
マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー(2018年 コメディ映画)

監督 オル・パーカー

出演 アマンダ・サイフリッド/リリー・ジェームス/シェール

シネマ365日 No.2803

女優陣健闘 

特集「桜貝見つけた/4月のベストコレクション」

 折紙付のポジティブ・ムービーだから、文句をつけたらドヤされそうね。でも言うわ。ドナ(メリル・ストリープ)の遺影が現れたとたん、風船みたいにス〜と見る気がしぼんだわ。この失落感は尾を引き、ラストになってドナが娘ソフィ(アマンダ・サイフリッド)の産んだ子の洗礼式に、ソフィにだけ見える幻となって現れる。(立派になったわね、ソフィ。ホテル事業を継承し、愛する夫との間に可愛い赤ちゃんも得た。私は幸せよ、やっと自分の責任を果たせた気がするわ)…そう微笑むドナは光陰を背に儚げに消えていく。あんまりよ。こんな程度ならメリル出すなよ。風聞によればこの続編はメリルのたっての希望によって実現したとか。ホンマかいな▼ボヤいていても始まらん。監督は(脚本もですが)オル・パーカーですね。「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」「同・幸せへの第二章」の脚本を書いた人。名優といえば聞こえはいいが、一家言あるうるさい役者ばかりの出演を、うまくまとめたな〜と思った人。本作でも主役級がズラリ。なんのために出たのかよくわからん人もいたけどそれはさておき、光っていたのはおばさんグループよ。オックスフォード大時代からのドナの親友ターニャとロージーが、ホテルをリニューアル・オープンしたソフィを励まそうとカロカイリ島へ到着。迎えに来たのがアンディ・ガルシャ扮する支配人フェルナンドだ。豊かなグレーの髪、女性をそらさぬ魅力的な笑顔、声はうっとりするテノール。邦画ではお目にかかりにくいセリフをパーカー監督は連発させます。ターニャが男から目を離さずつぶやく。「静かにおし。私のヴァギナ」男「あなたの美の源は骨格と美しい瞳だけじゃない。噴水に咲く花のようなやさしさも」。今度はロージーに向かい「ライオンの勇気とヒョウの情熱とフラミンゴの賢さをお持ちだ」。ターニャがボソリ「フラミンゴって賢い鳥だったかしら」▼もう一人この人がいる。シェールだ。ドナの母、ソフィの祖母ルビーである。やれやれ、メリルとのシーンがあれば「シルクウッド」以来の共演だったのに。「バーレスク」の網タイツ姿から8年、ヴァンパイアのように目覚める。彼女とフェルナンドは恋仲だった。「老いて白髪になったあなた。太鼓が聞こえる? リオグランデの砦を渡ったあの夜を思い出す?」「どうせ私はしがない独り者」「奥さんは死んでる?」「そうです。私にもう幸せはない」ルビーしおらしくささやく「早とちりかも」。ABBAの歌は相変わらず素晴らしいが、この歌はどう? 「真心込めて言うわ。あなたは私の愛。私の人生。ただ一人愛する人。あなたをしっかりと抱き心臓の鼓動に自由を感じた。そうよ。私たちは二人で一人。いまもこれからも。何者にもこの絆は渡せない」。勘違いしないでね、母と娘の歌なのです。ソフィのパパ候補3人は前作から続投。コリン・ファースにステラン・ステスカルスガイド、ピアース・ブロスナン。お付き合い出演だったかもしれないけど、女優陣の濃いキャラに比べたら義理でもいいから、少しはとんがったセリフをしゃべらせて欲しかったわ。そうそう、若きドナを演じたリリー・ジェイムス。「シンデレラ」から3年。繊細なアマンダに比べドシッとしていて動じない人ね。天然かしら。そのせいか「高慢と偏見とゾンビ」みたいな、人を食った作品でのびのびしていました。女優陣健闘。