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特集「ベストコレクション」

2019年4月4日

特集「桜貝見つけた/4月のベストコレクション」④ 
女神よ、銃を撃て(上)(2017年 劇場未公開)

監督 ティエリー・クリファ

出演 カトリーヌ・ドヌーブ/ダイアン・クルーガー/ネクフ

シネマ365日 No.2804

人の指図は受けないわ

特集「桜貝見つけた/4月のベストコレクション」

カトリーヌ・ドヌーブとダイアン・クルーガーを擁しながら劇場未公開だった。ワケわからん邦題じゃ無理ない、誰もそそられんわね。ルイーズ(カトリーヌ・ドヌーブ)はフランスの港町セーヌで亡夫の後を継ぎ、コンテナ事業を切り回す経営者だ。典雅な広い邸宅に住み本棚は本でぎっしり。ハンブルグの高校で教師をしていたが故郷が懐かしくなって帰ってきた。娘のジュリア(ダイアン・クルーガー)はフランス語が苦手だった。彼女らの過去は具体的に語られないけど、夫は刑務所にいたこともあり、「パパが死んだのは私のせいね」とジュリアは慚愧しているから、事故を起こしたのかもしれない。ジュリアの太腿と背中には引きつった大きな傷跡がある。事業は順調だが、ルイーズの悩みはジュリアだ。脚を引きずり歩く自分が嫌いになり、ウツで引きこもり。薬物依存が高じてセックス依存症に陥っている。ロドルフというチンピラの金ヅルにされボロボロだ▼ロドルフとその仲間ベン(ネクフ)とカリムは貧しい集合住宅に住む男たち。定職もなくベンの愛犬ティトを闘犬にして稼いでいたが、ティトも噛み殺された。おまけにギャングのドラッグを勝手に売りさばき金を横領していたのがばれた。3万ユーロ返さないと「俺は自殺するしかない」とジュリアに泣きつく。勝手に死ねばいいだろ。でもジュリアはなんとかすると答える。金の算段ができるのは母親しかいない。男はそのルイーズに向かって「うるせえ、ババア、3万で消えてやる」と暴言を吐くクズ男だ。娘はよく黙って見ているね。ロドルフの罵詈雑言を浴びてジュリアがレンチで殴りつけたたら死んでしまった。母親の元に走る。ダイアン・クルーガーがクールビューティをかなぐり捨て、箸にも棒にもかからないバカ娘を好演しています。自首するという娘をドヌーブ母さんは押しとどめるのだ。車を燃やし、死体を川に投げ込み「目撃者はいない、証拠もない」とうそぶく。翌日トランクの血糊を綺麗に洗い落とし、おもむろに冷蔵庫を開けパンやら肉やらしっかりたいらげる。おお懐かしい「太陽がいっぱい」でアラン・ドロンが殺しの直後、ローストチキンにかぶりつく、あれのオマージュね▼ロドルフの事件を警察はギャングの抗争とした。しかしギャングのボスの借金取り立ては厳しい。ロドルフが死んだのなら友だちのお前が払えと迫る。ベンはジュリアが関係しているとにらみ、会社までルイーズを脅しに来る。ベンはルイーズの亡夫が解雇した派遣社員だった。3万ユーロを3万5千に引き上げてきた。ルイーズは1万5千だけ渡す。ベンの執拗な恐喝はやまない。ルイーズは首飾りを売って7千ユーロを作りベンの家まで持って行く。ベンは自分の好きな場所だという、集合住宅の屋上にルイーズを連れて行く。子供達が遊ぶ公園、貧しい住宅が建ち並ぶ向こうに港が見え、海が広がる。「世界が俺のものだという気がする」と人の好いことをベンがいう。この辺りでルイーズは、チンピラのベンに大した悪事はできないとわかったのだろう。横目でベンをちらっと見たドヌーブの流し目の鋭さ。セリフがふるっています。「私も人の指図は受けないわ。悪党だから」