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特集「ベストコレクション」

2019年4月6日

特集「桜貝見つけた/4月のベストコレクション」⑥ 
イコライザー2(2018年 アクション映画)

監督 アントワーン・フークア

出演 デンゼル・ワシントン/ペドロ・パスカル/メリッサ・レオ

シネマ365日 No.2806

彼以外思い当たらぬ主役 

特集「桜貝見つけた/4月のベストコレクション」

 「イコライザー」の続編。時計の針を29秒に設定する、身近なもの全てを武器にする。目立たない簡素な模範的な市民生活。読書家で知的。無敵の戦闘能力。イコライザーことマッコールの殺しは猫のように静かだ。デンゼル・ワシントンが続編を承知したのは、監督がアントワーン・フークアだからでしょうね。「トレーニング・デイ」でデンゼルにアカデミー主演男優賞をもたらした人。脇にはメリッサ・レオ(「フローズン・リバー」)にアシュトン・サンダーズ(「ムーンライト」)。贅沢ですね。主人公マッコールを裏切る元CIAの同僚、デイブ(ペドロ・パスカル)は、共に死地を切り抜けた親友だった。CIAを離脱したマッコールが情報の入手のため7年ぶりにデイブに会う。二人は「同じ泥・同じ血」と手を握る。短いセリフですがセンスいいわ▼マッコールは前作でスーパーの店員だったけど、今回は転職してタクシーの運転手。バックミラーから乗客の人間像を読み取る目つきの鋭さ。金持ちの親父が女を弄んだバカ息子たちの後始末でホテルに来た。ボロボロの女を連れ出し、乗せたタクシーの運転手がマッコールだ。事情を察したマッコールはホテルに引き返し、男たちに制裁を加える。彼は弱い高齢者、虐げられた女性、貧しくても一生懸命生きている市民を犠牲にした犯罪者を許さない。もうひとつ、愛する者を殺したやつも容赦しない。今回はマッコールが妻以外で唯一愛するCIAのスーザン(マリッサ・レオ)が、ブリュッセルの殺人事件を捜査中暗殺された。必ず殺してやる。マッコールは関連資料入手のためデイブを訪ねたのだが、実は彼が犯人だった。言い分は「殺しのための厳しい訓練を受けた俺たちは、国家のために働いた。やがて凄腕エージェントは邪魔になり、ある日お払い箱。俺は裏社会の仕事をした。名前を渡されてそいつを消すだけ。俺たちが殺し屋になるのは自然の進化なのだ」そんな進化ありか。CIA内部の内通者がデイブであることにスーザンは気づき消された▼デイブたち暗殺グループにマッコールは宣告する。「いつもなら改心の選択肢を与えるがお前たちにはない。全員殺す」そして笑顔で手を振って別れる。クール。マッコールだってとびきりの犯罪者なのですが、そうは思わせません。不正を糾すのである。再生の選択肢も与える。人生を見失い認知症となった老人には、彼の繰り言を物笑いにせず、収容所で生き別れた姉を50年ぶりに見つけ出し再会させる。なんでそんなことができるのか。信頼の問題だ。彼の頼み事なら、スーザンも同僚もベストを尽くして応えてやるのだ。才能がありながら麻薬の売人をして大学にいかない学生マイルズ(アシュトン・サンダーズ)には人生の教師として、いまは勉強するときだ、するべきことをしておかないと君は敗残者の道を歩むと、懇々と言い聞かせ、悪の道に引きずり込もうとするゴロツキどもをボコボコにする。運が悪かったわね▼ことほどさように決然とした折り目・けじめは断捨離の規範。美的ですらあることが男の憧れを誘う。相変わらずチリひとつない部屋は清潔かつ静謐。書棚の蔵書は深い知性と造詣を語りかけ、読書する彼は禅僧のごとくストイックである。ま、なるべくしてデンゼルが主役になるわけよ。他に誰? 思い当たらんわ。