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特集「B級映画に愛をこめて」

2019年4月11日

特集「B級映画に愛を込めて11」① 
異常心理教室(1994年 劇場未公開)

監督 ブライアン・ブラント

出演 エリック・ロバーツ/ロン・パールマン

シネマ365日 No.2811

物質には記憶がある 

特集「B級映画に愛を込めて11」

 「異常心理学」ではなく「異常心理教室」なのが「引っ掛け」です。教授のバートン(エリック・ロバーツ)は実験助手にライラを雇う。彼女には幻想幻聴があり、見たこともない女が現れるエロチックな夢に悩まされている。女が自分自身になる時もある。キャリーという女子大生がバートン教授の部屋で殺された。教授は容疑者として逮捕されるが証拠不十分で釈放された。そういう経緯のある教授がライラに頼む実験とは「キャリーの物に触れてイメージを引き出してほしい。キャリー殺害の真犯人探しに協力してほしい」というのだ。彼が言うには「物質には記憶がある。それを聴き取って記録するのだ。君には声を聴き取る力がある」。ライラは幻聴幻覚で分裂症と診断されたが、教授によるとそれは一種の超能力らしい▼超能力か何か知らないけど、教授の動機って邪悪だわよ。そんなこと学生にさせていいのか、教授会で問題になりクビになりかけている。なって当然だわ。でもライラはすっかり教授にいかれて、キャリーが住んでいたアパートに引っ越し、彼女の遺物に触れて「声」を聞き取ろうとするのだ。やめときゃいいのに、とライラの親友メリーアンは忠告する。キャリー事件を扱ったパンテッラ刑事(ロン・パールマン)も「奴は怪しい。君に警護をつける」と部下に指示する。教授には確かなアリバイがあったゆえに、釈放されたが、そのアリバイというのが彼の恋人ポーラが殺害時、彼と一緒にいたという証言だ。真犯人はライラを狙い、間違ってメリーアンを殺した。彼女がライラのコートを着ていたからだ。ライラの幻想は高じて、教授とのセックスを見るようになる。でも現実の教授はその気がないらしく、寸前のところでダメだなんていうのだ。ライラは襲われ、救援に来た刑事はあっさり殺され、ライラが目出し帽を引きむしると、現れた顔はポーラだ。彼女は教授に接近する女子大生に嫉妬して殺していたのだ。ライラの超能力も「キャリー」クラスの物凄さがあればともかく、ひたすらユーウツな夢で悩む程度だからミステリーともホラーとも言い難い▼確かに実験に名を借りたひどい行為も、歴史にはありましたよ。一部の資料によればスタンフォード大学の監獄実験とか、CIAが主導したマインドコントロールとか、心理学の講義で必ずといっていいほど取り上げられる、イェール大学のスタンリー・ミルグラムの実験とか。でも女子大生に真犯人を探させよう、またその話に乗ってあげようというのはどっちも変態だわ。まともな判断を下すメリーアンや刑事は殺されちゃうし、この映画、中心軸がずれていて引きずられなかったわ。寝落ちしたのは私のせいじゃないわ。だいたい大学をクビになりそうな教授が恋人で…というのはいいとしても、バイト料稼ぎに来た女子大生に嫉妬を覚えて二人も殺すという、血迷った犯人が女だとは女をバカにしているわ。犯人にふさわしい、いかれた人物は他に何人もいたじゃない。教授役のエリック・ロバーツは既視感があると思ったら、ジュリア・ロバーツの兄、エマ・ロバーツの叔父ね。