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特集「ベリッシマ(美少女)」

2019年5月13日

特集「ベリッシマ(美少女)」④
フリア よみがえり少女(2013年 ミステリー映画)

監督 アントニオ・チャバリアス

出演 バルバラ・レニー/ファン・ディエゴ・ボト/マヒカ・ペレス

シネマ365日 No.2843

あなたを知っているわ 

特集「ベリッシマ(美少女)」

 スパニッシュ・ミステリーの佳品です。なかなかよかったですよ。謎めいた美少女フリアを演じるマヒカ・ペレスが、実は「エスター」みたいな魔少女だった、という恐ろしいオチでなくてホッ。小学校の教師夫婦、ダニエル(ファン・ディエゴ・ボト)とラウラ(バルバラ・レニー)がいる。ラウラは子供が欲しいが授からなくて悩んでいる。ダニエルの幼友達のマリオが何十年ぶりかで訪ねてきて、娘のフリアに会ってくれ、あの夏の出来事を話せるのは君だけだ、と言い残し、その夜お風呂に入っていたフリアの目の前で服のまま湯に浸かり、手首を切って自殺した。フリアは養護施設に預けられる。夫はマリオのことを話したがらない。ようやく妻に語った内容は「マリオは父が再婚を考えていた女性ルイサの息子で、クララという妹がいた。僕たちは3人で一夏一緒に遊んだがクララが事故死してそれ以来会っていない」と、不自然なほど口をつぐんでしまう。孤児になったフリアに会った妻は一目で可愛くなり一緒に暮らしたいと、乗り気でない夫を説得する▼フリアはダニエルに警戒を示しラウラにだけ笑顔を見せる。そして「あなたのこと知っているわ」と冷たくつぶやく。ダニエルは悪夢のような夏の事件を思い出す。マリオと二人でクララを森の深い穴に放置し、土砂崩れでクララは埋もれて死んでしまった。ダニエルもマリオも自分たちの悪質ないたずらを母親に隠していたが、捜索の結果クララの死体が発見され、母親は嘆きと怒りでマリオを絶縁した。そのクララと同じことをフリアはするのだ。同じ歌を歌い、「クララ」と名前の入ったノートに森の中の穴のような絵を描き、クララの結んでいた赤いリボンを結ぶ。ダニエルが思わず「クララ」と呼ぶとクルリと振り向く。フリアはクララのよみがえりか▼妻とフリアが楽しそうに笑いあい、自分が入るとフリアはピタリと笑顔を閉ざす。夜は悪夢にうなされ、妻には拒まれ、ダニエルは神経がズタズタ。心配した妻は同僚の別荘を借り、「しばらく私たちだけで過ごしましょう」と提案する。ところが「私たち」にはフリアも入っているのだ。ダニエルはフリアが憎くてたまらなくなる。妻はフリアの祖母ルイサが生きているとわかり施設に会いに行った。マリオが一度だけフリアを連れて面会に来たそうだ。フリアは祖母になつき、そのうち一人で遊びに来るようになった。ルイサは喜び、生きているクララのようにふりあに接し、娘の赤いリボンも結んであげた…ラウラはダニエルの恐怖する「クララ」は、祖母ルイサの刷り込みだとわかった▼妻の留守中ダニエルはフリアを森に連れ出す。「別れる前に言っておこう。あれは事故だった。俺は苦しんできた。十分な代償を払った。許してくれ」泣いて謝るダニエルに「許すわ」とフリア。「本当か。救われたよ。お別れだ」。許されたのだから仲直りするのかと思ったらあくまでフリアを消したいのね。穴に突き落とし、土をかぶせているときにラウラが駆けつけ、夫を突き飛ばすと彼は崖から落ちて死んじゃう。ダニエルが可哀想だったけど、元々冷血気味の男が自らの過去に復讐されたようにも見えるし、クララの怨霊から逃れられなかったホラーにも見える。次第に神経を病む夫のリアルな狂い方に説得力あり。ラウラのバルバラ・レニーには「マジカル・ガール」があります。秘密の部屋でサド男の残虐行為に耐えるが、すんでのところで死にかける女。バルバラはゴヤ賞主演女優賞をとっています。