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特集「ベストコレクション」

2019年5月21日

特集「新緑の5月ベストコレクション」③
輝ける人生(下)(2018年 社会派映画)

監督 リチャード・ロンクレイン

出演 イメルダ・スタウントン/ティモシー・スポール/セリア・イムリー

シネマ365日 No.2851

私こそ自分を許せない

特集「新緑の5月ベストコレクション」

サンドラはダンス教室に通うことにした。5回結婚したジャッキーがなにくれと離婚のアドバイスをしてくれる。「“レディ”は離婚したらあなたのものじゃないの。ご亭主がもらったものだから」。がっくり。でもチャーリーに比べたらマシかもしれない。チャーリーの妻は重度の認知症で夫の顔もわからなくなっている。食事をさせようとすると興奮して夫に皿を投げつける。チャーリーはすっかり弱りきっている。そのうち妹の方が姉よりダンスが上達した。ソファに寝転んで居眠りしていても、姉が踏むステップの音だけで間違いを指摘する。クリスマスの路上でやった全員のパフォーマンスをネットで見たローマ・ビエンナーレの芸術監督がステージで踊らないかと言ってきた。メンバーは全員奮い起つ。よくあるパターンですけどね。姉妹は家のすぐ近くのテムズ河の支流「遊泳区域」で泳ぐ。真冬でも泳ぐのだ。ビフ「水はどう」体から湯気を立てて戻ってくる女性に訊く。「氷みたいよ」。サンドラ「あの人だれ」「ガールフレンドよ」「姉さん、どっちも、なの?」「だから二倍楽しめるのよ」おお、いいわね(笑)▼腰を痛めたビフが病院に行き検査を受けた。「私、死ぬの。肺がんのステージ4だった」「治療はいつから始めるの」「やらない。みんながローマに行くのに、余計な心配させたくない」。ある日サンドラの娘ニコラがたずねてきた。「パパが別れたの」「私にどうしろと」。元亭主が来で涙ぐましい懇請にサンドラは家に戻ることにする。パメラの料理は宅配ばかりで孫息子はちっとも懐かなかったそうだ。チャーリーはサンドラとせっかく仲良くなったのに残念そうだった。彼には夢があった。「妻が長い旅路を終えたら英仏海峡をボロ船で渡りフランスのカマルガまで航海する」ことだ。屋敷に戻ったサンドラは夫の一挙手一投足に自分が付いていけなくなったことを知る。「あなたの裏切りが許せなかった。でも私こそ35年間自分を裏切っていた自分が許せない」そう言って姉の家に、貧乏人ばかりの教室の友らの元に戻る。ローマの公演は大成功だった。疲れたビフは先にベッドに入った。翌朝妹は姉の死を知る▼配役はイギリス演劇界のトップレベルが固めています。イメルダ・スタウントンは映画では地味な役が多いですが、最近作では「マレフィセント」「パレードへようこそ」。ティモシー・スポールは「否定と肯定」で、ホロコーストは捏造だったというもの凄い悪役のほか「ハリポタ」でおなじみ。セリア・イムリーは「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」「四角い恋愛関係」など、この人が出るとどんな役でも、キチッと映画のネジが締まる女優です。