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特集「ベストコレクション」

2019年5月22日

特集「新緑の5月ベストコレクション」④
ブレイン・ゲーム(2018年 サスペンス映画)

監督 アフォンソ・ポヤルト

出演 アンソニー・ホプキンス/コリン・ファレル/アビー・コーニッシュ/ジェフリー・ディーン・モーガン

シネマ365日 No.2852

「慈悲殺」ですって? 

特集「新緑の5月ベストコレクション」

 アメリカのある都市で連続殺人が起きる。手口はみな同じ。長い鋭い針で延髄を一差し、即死に至らせる。現場には遺留品なし。FBIのジョー捜査官(ジェフリー・ディーン・モーガン)は行き詰まり、かつていくつもの事件を解決した医師であり、超能力者でもあるクランシー(アンソニー・ホプキンス)に協力を求める。娘を白血病で亡くしてから隠遁している彼は最初拒否したがジョーの熱意に動かされ捜査に加わる。ジョーの同僚である精神科医、キャサリン(アビー・コーニッシュ)は「超能力」に懐疑的だったが、示されていくクランシーの能力に驚き、考えを改める▼クランシーは被害者がいずれも不治の病だったことを指摘する。ALS(進行性神経疾患)、エイズ、脳腫瘍…犯人は「私と同じ能力を持ち、しかも私より優れている」とクランシーは判断する。自分に何が見えるかとキャサリンがクランシーに訊くと「君は17歳の時初体験。車の中だ。男は酔っていて散々だった。5年後ケビンと出会うが君の妊娠で男の熱は冷めた。2カ月後君はアマンダを出産。養子に出しそれきりだ。強気な振る舞いは喪失感を隠すためだ。両親の誕生日は」と言い当てる。すべて本当だった。やがて容疑者が割り出され、踏み込んだ警官隊の中でジョーが被弾した。彼は「奴は俺たちを誘導している。俺はステージ4のガンだ。もうすぐ死ぬ。クランシー、俺が死んだら時々家族の様子を見てやってくれ」と言い残す▼クランシーの前に姿を現した犯人チャールズ(コリン・ファレル)は「俺は彼らを苦痛から救ってやった。あるいは彼らの望みを叶えてやったのさ」とうそぶく。つまり慈悲殺だというのだ。ジェフリーという男性を殺した時は「この男はやがてNFB(神経線維腫症)を発症しもがき苦しむ。彼は明日恋人を妊娠させる。それもまずい。NFBは遺伝するからな」だから殺した…クランシーは反撃する。「君は手にかけた者を知っていたか。死の恐怖に怯えつつも生きたいと願った人々だ。彼らをよく見ていたら気がつくはずだ。人生の最期の時は尊い。命が尽きようとする時は苦痛すらも愛おしいのだ」。クランシー自身もかつて「パパ、助けて。痛くてたまらない」と泣き叫んで訴える娘の生命維持装置を外した。どこまでが許されるのか、どこからが許されないのか。明らかなのはチャールズが慈悲を隠れ蓑に、殺人を楽しんだサイコ犯だということ。誰がこんな奴に慈悲なんかかけてほしいだろう▼クランシーはキャサリンが射殺される幻が見えて苦しんでいた。それを回避しようと全力をあげチャールズを射殺し自分も傷を負う。彼はキャサリンに娘の面影を見ていたのだ。入院中のクランシーを見舞いに来たキャサリンは「私たち、組まない?」と早速仕事を持ちかける。一方で別居中の妻に連絡し、クランシーと会う手はずを整える。超能力とか未来の予知とか、心霊的な部分が多いのですが、役者たちの重量感ゆえか、白ける一歩手前で「寸止め」。キャサリンのアビー・コーニッシュは「エリザベス:ゴールデンエイジ」では女王のお気に入りの女官ベスを、「エンジェルウォーズ」では、自由を求めて精神病院を脱走するチームの最後の生き残りを演じています。ジェフリー・ディーン・モーガンは「悪党に粛清を」、2012年の「ポゼッション」などがあります。アンソニー・ホピキンス。言わせるか、これを? 映画史上不朽にして不滅の名演「ハンニバル・レクター博士」です。