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特集「刑事コロンボと9人の女優」

2019年9月7日

特集「刑事コロンボと9人の女優」⑦キム・ハンター
二枚のドガの絵(1973年 テレビ映画)

監督 ハイ・アヴァバック

出演 ピーター・フォーク/キム・ハンター

シネマ365日 No.2960

女性に好かれる女性の名前

特集「刑事コロンボと9人の女優」

 美術評論家のデイルが世界の美術館が貸し出しを乞い願う優品126点を所蔵する、叔父ランディ・マシューズのコレクションを我が物にしようと叔父を殺害した。遺言では絵画はすべて別れた妻エドナに譲ることを彼は知っていた。そこでエドナに罪を着せ、殺人犯に仕立て上げて相続権を無効にしようとしたわけ。でもコロンボはあまりに完璧なアリバイ、時刻の正確すぎる記憶などから逆に彼が不自然だと怪しむ。デイルは今をときめくモテ評論家で、彼のお墨付きをいただくとその絵の値段は跳ね上がる。美大や博物館で講演依頼が押し寄せている人気者だ。しかし彼はウラ表のある性格で、外ヅラはよいがスタッフらにはぞんざいな口の利き方をする。美大の女子学生は彼の犯罪に加担したためにデイルに殴殺された▼コロンボは好き嫌いを表に出さないが、あまり調子のいいデイルが、初めから胡散くさそうだ。その逆の反応がマシューズの元妻エドナに対して。離婚したのは私の浮気のせい、とアッケラカンといい、初めて夫と美術館に行った時、彼は絵画が投資の対象になると知って買い漁った、でも審美眼は自分の方が上で、離婚した後はデイルがコレクションの指南役になった、とコロンボに話す。デイルはコロンボのしつこい質問にブチ切れそうだがかろうじて抑えているのがコロンボにはよくわかる。わざといじやかすように、引き上げると見せかけふと立ち止まり、引き返してどうでもいい質問をする、コロンボのいつものイヤがらせが、本作ではさらに念入り。反対にエドナは何を聞かれても正直で明るく、その人柄がコロンボには好もしい。ところがエドナのクローゼットから盗まれたドガの2点の絵が出てきた。「エドナ、君は何てことをしたんだ」驚き嘆いてみせるデイルに「エドナは犯人じゃない」コロンボはきっぱり▼警官たちは担当刑事がコロンボであるから、容疑者の連行には彼の指示を仰ぐ。「ちょっと待て」と鑑識を呼び「指紋を採ってくれ」担当者はパパッと粉をふりかけ「ありました」。デイルが喚く。「僕の指紋なんかいたるところについている」。コロンボひと呼吸おいて「あなたの指紋じゃない。私の指紋です」。エドナが犯人に仕立てられるはずと読んでいたコロンボは、デイルとの会話の隙にドガの絵の包装紙に自分の指紋をつけていたのだ。「エドナが犯人なら私の指紋のついたドガを持っているはずがない」そしてゆっくりとポケットから出した両手にはしっかり手袋が。室内でコロンボの指紋がつくはずはなかった。シリーズ中、最高のどんでん返しです▼ところで今回のキム・ハンター。代表作はと問われれば当然、アカデミー助演女優賞の「欲望という名の電車」でしょうね。ヴィヴィアン・リーの妹役ステラになった。でもほとんどの人が記憶にあるのは「猿の惑星」三部作のジーラ博士ではないでしょうか。メーキャップのおかげで彼女の素顔はほぼわからなかったけど、ノンメーク(?)で「あの時のジーラ!」とわかった人はすごい。キム・ハンターは1950年代の赤狩りでブラックリストに載り、長期にわたって仕事を奪われたのは「死者の身代金」のリー・グラントと同じ。彼女が再び脚光を浴びたのが「猿の惑星」でした。「猿の…」は46歳、本作は49歳の時の出演です。話は全く別ですが、女子サッカーの、世界で愛されるゲームのキャラクター「FIFA19」の、女性に好かれる女性の名前がキム・ハンターというのも面白い一致でした。

 

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