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特集「刑事コロンボと9人の女優」

2019年9月9日

特集「刑事コロンボと9人の女優」⑨スザンヌ・プレシュット
ホリスター将軍のコレクション(1973年 テレビ映画)

監督 ジャック・スマイト

出演 ピーター・フォーク/スザンヌ・プレシュット

シネマ365日 No.2962

わたし、太っているし 

特集「刑事コロンボと9人の女優」

 これは珍しい、コロンボ(ピーター・フォーク)が目撃者のヘレン(スザンヌ・プレシュット)に「見間違いではありませんか。酔っていたのでは」と証言の信憑性を疑っています。というのも彼女が殺人を目撃したという相手は海兵隊伝説のホリスター将軍。ヒラの巡査は「恐れ多くて私には質問できません。上司を」といってきたのでコロンボが訪問した。将軍の自宅で「バスローブ」が「軍服」を射殺した、とヘレンはいいはるのだが、もちろん将軍は愛想よく、見間違っても当然、「バスローブを着ていたのも私、軍服を着ていたのも私。展示会に出品する記念品を整理していて、つい懐かしくなって軍服を着た。けつまずいて転びかけた。その時だったかも」。コロンボはそう説明するが、ヘレンは「私が見たのと違う。バスローブが軍服を撃った。信じてくれるの、くれないの!」と詰め寄り、コロンボは迫力負け。再捜査する▼ヘレンは神経症を患い、いろんなセラピーを受けていた。ヨットに美術クラブ。仕事は子供と動物の世話。母親に言わせると夫が浮気したと思い込んだのが原因で離婚に至った。事実だったのだが。将軍は目撃者がいたと知って心中穏やかならず、名前、住所を聞き出してヘレンを訪ねる。「私を疑われたようだが、今夜のニュースを見れば私がどんな人間か明白」そう言って帰る。ニュースは将軍の退役25周年記念の仰々しい式典だった。将軍はヘレンを「食事に誘いたい。イエスだね」。結婚まで申し込まれた。ヘレンはすっかり将軍のリードにはまってしまう。やがて「軍服」の死体が上がった。殺されたのは海兵隊調達部門のダットン大佐。将軍が経営する会社から大量の武器を仕入れ、将軍は賄賂をピンはねしていた。内部監査によりやばくなったとダットンは報告に来て、自分はスイスに身を隠すと。将軍は口封じのため彼を射殺する▼「おかしいと思いませんか」とコロンボが本来の殺人課刑事に戻り、ネチネチとヘレンに聴取するが、ヘレンは何も見ていない、放っておいて、と証言を変える。コロンボは頭を抱え「話が違う。最初は自信満々だったのに、食事に行ったとたん、急に弱腰に」。本作は種明かしも謎解きもなく、コロンボが証人の変節に、仕方なく自分で証拠を固めていくのが筋。将軍が逮捕されヘレンは「何十億と男がいるのに、私ったらカスをつかむ才能でもあるのかしら」コロンボ「姪のマリリンも離婚したが、再婚して子供も生まれ、幸福に暮らしています」「刑事さん、姪がいるの?」「シンシアといいます」まことしやかにコロンボが言う。スザンヌ・プレシュットは34歳でした。「恋愛専科」「遠い喇叭」でトロイ・ドナヒューと共演、結婚して数ヶ月後に別れる。「」では鳥に襲われて殺される学校の先生を演じました。舞台に軸足を移し「奇跡の人」で演じたアニー・サリバンで注目を集めます。テレビにも出演多数。本作の彼女は離婚の後遺症が癒えず、将軍にプロポーズされても自信が持てない女性です。「私、不器用なの。太っているし」と嘆く。この時の将軍の返しがよかった「一つの戦いに負けただけで、全部じゃない」。コロンボに証拠を握られ逮捕の時、手錠をかけようとする部下をコロンボは制する。そばにいたヘレンに将軍は「悪かった」と言って退室する。派手ではないが、じくじく噛み応えのある作品でした。