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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2019年9月14日

特集「映画に見るゲイ12」293
プレシャス(下)(2010年 ゲイ映画)

監督 リー・ダニエルズ

出演 ガボレイ・シディベ/モニーク/ポーラ・パットン

シネマ365日 No.2967

すべての愛しい女の子たちへ 

特集「映画に見るゲイ12」

 先生はプレシャスを自分の家に連れて帰った。「おかえり」迎えに降りてきたのがキャサリンだ。(驚いた。先生はゲイだ)プレシャスは言葉を飲み込む。部屋は明るく暖かく(テレビで見るクリスマスみたいだ。二人ともやさしい。なぜ父さんや母さんより他人の先生たちがやさしいのだろう。心がホカホカする)。プレシャスは人間らしい気持ちになれた。(先生とキャサリンの話はテレビの討論会みたいだ)…プレシャスの比較はいつもテレビであることが悲しい。でも(頭のいい人の話をアブドルに聞かせよう。母さんは同性愛が悪だと言っていたけど、同性愛者が私をレイプしたンじゃない。同性愛者は勉強の邪魔もしない。ハーレムでヤクも売らない)。プレシャスは自分なりに公平だと思う判断をした。彼女の成績は上がり上級クラスに移り字の読み書きを勉強し、本もたくさん読んだ。頑張ったら市長がトロフィーと小切手をくれた▼お祝いのパーティがあった。先生はキャサリンを伴って出席した。先生はお母さんとうまく行っていなかった。多分ゲイを受け入れられていないのだ。プレシャスは思う。先生はみんなを照らす光を持つ人。その人がトンネルで迷っていたら…自分の光しか頼れるものはない。強くならなくては。トンネルを抜けてまたみんなを照らすんだ。先生は私の光なんだ。アブドルが9カ月になった。父さんや母さんのこと、前の学校、住んでいた家のことは悪夢だった。人生をやり直しアブドルを育て、モンゴも取り返す(養子に出されている)。母親が来て告げた。「父さんが死んだ」。ああよかったと思った私は人非人か。父親はエイズだった。プレシャスは感染していた「先生、あたし、HIV陽性だった。アブドルにもうおっぱいあげられない」「言ったでしょ。まだ何も書いていないって。書くのよ。みんなあなたを愛しているわ」「ウソ言わないで先生、愛なんて最悪なだけ、ぶちのめされレイプされケダモノと呼ばれ、自分が惨めだった。愛なんてヘドが出る」プレシャスは泣いた。「そんなのは愛じゃない。赤ちゃんはあなたを愛している。私はあなたを愛している。書くのよ!」▼母親が訪ねてきてプレシャスと一緒に暮らしたいと訴え「プレシャスのために何でもしてやった。プレシャスは私のものです。彼はあたしを抱くはずなのに娘を欲しがった。誰があたしを触り、気分よくさせてくれる? 誰もいなかった」八つ当たりの虐待か。プレシャスは言う「母さんが辛い目にあわされたのに、私がバカで知ろうとしなかった。もう会わないよ」母親の絶叫を後に、プレシャスはアブドルを抱き、モンゴの手を引いてハーレムの雑踏を歩く。大学にいくのだ。勉強して人の役に立ち、この子たちが誇れる母親になるのだ。プレシャスの独白と大きな関取のような後ろ姿で映画は終わる。リー・ダニエルズ監督は本作のほか「チョコレート」「アグネスと彼の兄弟」「サイレンサー」「ペーパーボーイ 真夏の引力」「大統領の執事の涙」など力強い社会派作品を送り出している。献辞にこうある。「すべての愛しい女の子たちへ」。この映画に出会った幸運を思おう。