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特集「ベストコレクション」

2019年10月5日

特集「コスモス秋風に揺れ/10月のベストコレクション」⑤
イップ・マン外伝 マスターZ(2019年 アクション映画)

監督 ユエン・ウーピン

出演 マックス・チャン/デイヴ・バウティスタ/ミシェル・ヨー

シネマ365日 No.2988

炸裂の詠春拳再び 

特集「コスモス秋風に揺れ/10月のベストコレクション」

 超絶アクションにしてエンタテイメントの王道。108分の尺に中身がぎっしり詰まって目をそらす隙もありません。監督がユエン・ウーピンです。武術シーンの彼の美しい設計に惚れ惚れします。アクション監督としては「マトリックス」あり「グリーン・デスティニー」あり「キル・ビル」あり、本作の本家「イップ・マン 継承」もそうでした。「マトリックス」以来、彼の愛弟子みたいなキアヌ・リーブスが初監督した「ファイティング・タイガー」にも参加しています。武術シーンがみな極めてレベルが高いのです。どうやって人間は格闘技において、かくも美しい存在になれるのか。主役のティンチにマックス・チャン。イップ・マンとの詠春拳継承争いに敗れ、武館(道場)をたたみ、闇の殺し屋家業から足を洗い、一人息子と食料品店を営む男▼地元のマフィア・長楽グループの総帥、クワン(ミシェル・ヨー)は幹部を集め、3年計画で裏社会の家業を捨て、堅気に転身すると告げる。まともなことやって稼げるわけがねえ、と身内は反対するが「姐御がやるというなら仕方ない」と結果的に承服。弟のキットだけは真っ向から反対。そもそも彼は「長楽グループの御曹司でありながら、姉がいるためにトップになれない」劣等感の固まりです。ティンチはキット一味とトラブルを起こしたバーの歌手ジュリアとホステスのナナをコテンパにやっつける。逆恨みしたキットはティンチの店に放火し、息子に大火傷を負わす。ジュリアは兄フーが経営しているバーの従業員としてティンチを雇い、自宅に父子を居候させる。ティンチはバーで中国人に不遜な態度をとる英国人を容赦せず、放火された報復にキットのアヘン窟を燃やすなど、見て見ぬ振りができない性分。キットは姉の方針に従わず、ヘロインの売買に手を出した▼ティンチ父子とフー・ジュリア兄妹は友情を深め地元の名士オーウェン(デイヴ・バウティスタ)が経営する高級レストランで息子の誕生日を祝う。しかしオーウェンは麻薬売買の元締めという裏の顔を持っていた。キットはオーウェンに取り入りヘロインを街に蔓延させようとする。警察はオーウェンに買収されていた。フーの店に踏み込んだ警察は言いがかりをつけてフーを逮捕した。ティンチは「お前らはクズだ。放火を失火と主張し、ホステスの死亡事件(ナナはヘロインの過剰摂取で殺された)も放置、真犯人を逮捕せず人を陥れるのが警察か」。ところがこの直後、兄弟同様のフーはオーウェンに惨殺される。武術を捨てた男、ティンチは立ち上がる。ここからは香港アクションの未来を担う(ト予告編にあった)マックス・チャンの完璧・詠春拳を堪能できる。マックスの3倍はあろう、大男デイヴ・バウティスタとの、そしてクワン姐御ミシェル・ヨーとの武器を持った対決が見逃せない。友情あり、裏切りあり、情報戦あり、家族愛あり。悪と汚職の街に炸裂する正義の詠春拳再び。考えるヒマもなく、ひたすら感服したい映画を見たいときは是非どうぞ。