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特集「最高のビッチ」

2019年11月9日

特集「最高のビッチ9」② ブレイク・ライヴリー1 
シンプル・フェイバー(上)(2019年 ミステリー映画)

監督 ポール・フェイグ

出演 ブレイク・ライヴリー/アナ・ケンドリック

シネマ365日 No.3023

危険と秘密の香り 

最高のビッチ特集

 「かごの中の瞳」を見て、いつかこの人、ビッチをやるのでは、と思っていました。ほとんどの作品で好感度満点の女性を演じたブレイク・ライヴリーが、本作でどんなビッチを見せたか。夫の家に招かれると姑の大事にしている指輪を盗む、虚言癖に作り話は日常茶飯事、元カノに生活費はむろん、大学の授業料まで出させ、搾り取るだけ搾り取って捨てる。双子の姉と家に放火し、父親を殺す。「金髪の双子」は目立つから姉と別れ十数年音信なし。その間、ニューヨークで成功し今は大手アパレルの広報責任者として成功する。ところが結婚した男は、10年前にベストセラーを出したきり、泣かず飛ばずのダメンズ。「金遣いだけはセレブ並みのヒモ男」とこき下ろす。豪邸を購入したがローン地獄の現在だ▼彼女、エミリー(ブレイク・ライヴリー)がなぜかステファニー(アナ・ケンドリッジ)と友達になる。息子のクラスが一緒で、迎えに行った時が出会いだった。長身金髪碧眼の美貌、スーパーモデルのようなエミリーと、1010ドルのソックスを喜ぶステファニー。きっかけの会話はこうだった。遊び足りないニッキー(息子)が駄々をこねる。「何かしたいって? ママのあそこを裂いて出てきただけで充分よ」。あっけにとられるステファニーをチラリ「お酒は飲むの?」もごもごいう彼女に「家で飲まない?」。壁の絵に目を留めたステファニー「あなたの肖像?」「この絵の作者は永遠の二流画家。一時絵のモデルで食べていたの。変態画家に惚れられて、だから絵を盗んだの。いつか高値に…ならなかったわ」「センスのいい家ね」「クソ高いの。破産寸前なの。仕事が忙しいけど信頼できるシッターがいなくて」「ニッキーを放課後、うちで遊ばせてもいいわ」。エミリーは顔をほころばせOK。なんぞというと「ごめんなさい」が口癖のステファニーに「謝ることはないわ。女の悪い癖よ。きつい相手には強く出ないとつけあがるわよ」。ビジネスの第一線を仕切る経験則を教える。(すごい)ステファニー感嘆し、保護者アルバムに載せようと写真を撮ると、エミリーは異常に嫌がり目の前で削除させた。それ以外は機嫌よく「本物のマティーニを作ってあげるわ。ジンとグラスを冷やしておく。ベルモットを少し。グラスを回転させて捨てる。ジンを注ぐ。レモンの皮をカット。ミストを飛ばしたらふちに香りを作って完成。氷は入れない」。手際よく仕上げたマティーニをうまそうに飲み干す。ステファニーは言ってしまう「私にも作って」▼ブレイクとアナの息があっています。「告白小説、その結末」もそうでしたが、主演女優二人の呼吸が合うことでスクリーンの空気が安定する。大昔ベティ・デイビスが、倒れたジョーン・クロフォードを引きずるシーン。クロフォードは撮影前バスローブに石を詰め重量を増やした。この映画「何がジェーンに起こったか」は激震が走っていました。デイビスは怒りに燃え忘れなかった。クロフォードの訃報を知った時「これで空気がきれいになった」。子供じみたイケズを本気でやるのが女優という人種ではあります。とはいえ、窓を大きく取った部屋は庭に面して明るくて静か。家具は少なく広々した空間に趣味のいいインテリア。美しい女主人は完璧なマティーニを作り、秘密と危険の香りを放つ。序章は好調に滑り出しました。

 

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