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特集「最高のビッチ」

2019年11月11日

特集「最高のビッチ9」④ エマ・ストーン1 
バトル・オブ・セクシーズ(上)(2018年 事実に基づく映画)

監督 ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファレス

出演 エマ・ストーン/スティーヴ・カレル/アンドレア・ライズボロー/サラ・シルバーマン/エリザベス・シュー/アラン・カミング

シネマ365日 No.3024

鉄板の脇役陣 

最高のビッチ特集

 この映画のポイントは3つ。①ヒロイン、ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)がギャラの不平等を理由に全米テニス協会を脱退、女子トーナメントWTAを花形女子選手9人で立ち上げる②マリリン(アンドレア・ライズボロー=「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」「ノクターナル・アニマルズ」との恋愛③男性優位主義者の元テニス・チャンピオン、ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル=「フォックスキャッチャー」「ハンズ・オブ・ラブ手のひらの勇気」)との勝負。脚本(サイモン・ボーファイ)が実によくできていて、クライマックスの決戦まで、私たちはムカムカ、ハラハラしながら手際よくリードされ、彼女らの切実な希望と勇気と戦いがあって、今の私たちのあることが直截に伝わってきます。忘れたくない映画です▼主役のエマ・ストーン、スティーヴ・カレルの力量は言うまでもなく、脇の充実ぶりは鉄板です。マネージャーのグラディス(サラ・シルバーマン=「メリーに首ったけ」「テイク・ディス・ワルツ」)はビリーの右腕。独立はしたものの資金はゼロの女子団体に、フィリップ・モーリスという強力なスポンサーをつけ、後顧の憂いなくテニスに打ち込めるようにした凄腕です。条件は撮影時には必ずタバコを手にすること(笑)。彼女は当時最大のテニス雑誌の発行者でしたが会社を売却し、ビリーと行動を共にします。ビリーを愛するようになったマリリンは、ためらう恋人に無理強いをせず「ゆっくり歩ければいい」。そんな懐の深さに、いつも勝負の重圧の中にいたビリーは安らぎを得ます。マリリンは美容師でした。テニス以外には無頓着なビリーに「美人なのに」と、カッコいいヘアスタイルでコートに送り出したのがきっかけ。もっともビリーの夫ラリーの理解があったからですが▼プリシラ(エリザベス・シュー=「レオポルド・ブルームへの手紙」「ピラニア3D」「31年目の夫婦げんか」)はボビーの妻。彼女の実家はセレブな実業家で、ボビーはそこの役員であるものの、会社ではすることがない。「父はあなたを頼りにしているわ」と妻が慰めると「デスクのホッチキス程度には」と返す。ギャンブル依存症の夫に愛想を尽かし離婚を切り出す。「ボビー、あなたを愛している。あなたは私を笑わせて楽しくさせてくれる。奇抜なアイデアも面白い。だけど私には夫が必要なの。落ち着いて頼りになる人がほしいの。あなたがやろうとしていること(ジーンとの対決)は素晴らしい。でも私は一緒にいられない。ごめんなさい」。エリアベス・シューが人生の中盤にいる、しっとりした知的な女性を演じて秀抜です▼そしてこの人。衣装デザイナーのテッドに扮したアラン・カミング(「アニバサリーの夜に」「バーレスク」「チョコレートドーナツ」)。ビリーのセクシャリテャイを見守り、本作のラストの締めは彼がさらったと言ってもいい。試合後コートを埋めた報道陣とファンにまじって恋人マリリンが待っている。ビリーは心細げにテッドに言う。「心の準備がまだできていないの」「できているはずだよ。時代は変わる。いま君が変えたように。いつか僕らはありのままでいられる。自由に人を愛せる。だけどいまは勝利を祝おう」。要所、要所に胸を打つセリフのボクシング。ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス監督の代表作の一本に「リトル・ミス・サンシャイン」がありました。

 

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