女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「ナンセンスは素敵だ」

2019年11月29日

特集「ナンセンスは素敵だ5」④ 
拷問の魔人館(1974年 劇場未公開)

監督 ピート・ウォーカー

出演 ペニー・アービング/アン・ミシェル/シーラ・キース

シネマ365日 No.3042

私設刑務所の狂人

ナンセンスは素敵だ特集

 邦題はコテコテだけど、原題は「むちの家」というあっさりしたもの。ひっぱたくあの鞭です。律儀に作ってあります。とはいえヒロイン、アンマリーが監禁される「私設刑務所」という存在にまず「?」。そこにいる女性3人がボスのマーガレット。看守のベイツにウォーカー(シーラ・キース)。シーラ・キーラは本作でピート・ウォーカー監督と出会い、次回作「フライトメア」の主演に抜擢されました。私設刑務所とはマーガレットの息子マークに(彼がアンマリーをナンパし、拉致した張本人)によれば、マーガレットは母、父は元最高裁判事。「母は刑務所の看守をしており、処遇の過ちで女囚を死なせた。捜査が入り、その刑務所関連の長だった父は、母を助けたものの免職になった。父は母のために刑務所跡のこの場所を買い、住処とした。翌年僕が生まれた。1947年だ。両親と一緒にいるのが嫌で寄宿舎学校に入り、半年ごとに母に会いに来た」。理路整然としているでしょ。ところが「両親は法廷ごっこに取り憑かれていた」▼「世の乱れを自分たちの信念で変えられると信じ、毎日すべての新聞に目を通し、更生させるべき人物(なぜかみな女性)を選んだ」。アンマリーの罪状は彼女が職業モデルであり「公共の場で恥もなく無着衣になる、品位を問われる行動」による。彼女は房に収容され脱走を試み反抗してはならない。逆らえば酷い拷問を受ける。ここから出る頃には社会に適合した有益な人物となっていよう」。アンマリーは争う気力もない。同房にはクレアという万引きした女性がいて「ここではマーガレットと判事が絶対なの。あいつらはみな狂人よ。誰も逃げられたことがない。最初の脱走の懲罰は独房で2週間。二度目はムチ打ち。三度目は絞首刑」。アンマリーはクレアと脱走を試みるが失敗▼ロンドンではジュリアがボーイフレンド、テッドの尻を叩きアンマリーの行方を捜していた。拷問シーンはムチの効果音だけでえぐい場面はありません。やっとのことで敷地外に出たアンマリーはトラックを止めるが、彼女の衰弱を心配した運転手は病院へ搬送しようとする。訪ねまわり「あの大きな建物じゃないか」と教えられたのは私設刑務所、アンマリーは逆戻りだ。映画のテンポ急加速。ジュリアが病院を見つけ果敢に面会を求める。会いたいなら会わせる「ここよ」と通された部屋でアンマリーはぶら下がっていた。「何をしたっていうのよ」「わかってないわね。彼女はサイコパスよ」とマーガレット。あなたにだけは言われたくない。おまけにジュリアを「共謀罪で有罪よ」と監禁する。トラック運転手は朝食に入ったレストランで、新聞に載っているアンマリーが、自分の乗せた怪我人と同一人物だと認める。テッドが警察に知らせる。ウォーカー看守は夜な夜な人形を抱いてあやしていた、アブナイ相棒ベイツを乗せ、施設から逃走しようとした寸前パトカーに御用。判事は正気を失いもうろうと歩き回る。マーガレットは錯乱して首を吊った。刑務所内に監禁されていた女性たちは保護された。狂人独特の理屈が禍々しく強烈で、狂死させる以外オチはない。バカばかしいと呆れつつ、きっちりした作り込みと、あっさり主役を殺してしまう力強さに引っ張られました。

 

あなたにオススメ