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特集「ナンセンスは素敵だ」

2019年11月30日

特集「ナンセンスは素敵だ5」⑤ 
ボディヒート・サーガ 魔性伝説(2017年 劇場未公開)

監督 ジョン・バー

出演 レリー・イーガン

シネマ365日 No.3043

悪の妖精 

ナンセンスは素敵だ特集

 本作のヒロインは、リャナンシーという妖精です。演じるのがレリー・ハリガン。アダムが森で見かけた彼女は完璧な肢体の持ち主。一目で彼女が忘れられなくなる。記憶にある彼女を描いて画商に持ち込んだ。画廊主のヴァレリーは「あなたのリャナンシーね。リャナンシーは綺麗だけど危険な香りがするわ」。ヴァレリーは彼女が伝説の妖精だと教える。「実に美しいの。その姿を見た者は彼女を愛さずにはおれない。彼女は愛する者に閃きを与え、守る。凶暴なまでの愛であなたを守るのよ。彼女がいれば恐れるものはない」。つまりリャナンシーは守護神かつアダムのミューズなのだ。ある日アダムのアトリエに現れ、モデルとなって、アダムは憑かれたように彼女を描く。妖精だから人間の言葉は一言も喋らない。でもやることは全然妖精らしくない。家賃の催促に来た大家も、アダムにやばい仕事をさせようとした売人も、あっというまに殺してしまう。アダムは彼女に溺れ、セックスに耽溺する。ふうん▼死体の処理はどうするか。大きな電動ノコギリで手足をバラバラにし、床板を剥いで押し込み、セメントみたいな液状のものを流し込んで封印する。貧乏画家のアトリエになんで電動ノコがあるかわからんが。妖精はどんななりをしているかというと、白いチュニックをまとい、殺しのたびの返り血で大きく「X」型の赤い紋様みたいなのがくっきり。アダムの腕はメキメキ上がり個展は大成功。画壇注目の新進画家となった。ヴァレリーはでもこう言う。「言い伝えによるとリャナンシーは芸術家を求め、彼女と一体になった芸術家は成功をおさめ、死ぬ。短くて激しい人生を生きる」。いいことばかりじゃないらしい。アダムに好意を持つ同じアパートの女性がいた。彼氏は売れっ子の画家だった。駆け出しのアダムを軽く見て、いつでもアドバイスする、と余裕だった。でも自分の彼女はアダムに惹かれている。面白くない。ある日アダムのアトリエに「彼女と付き合うな」と引導を渡しに来た。すると部屋の隅で見つめていたリャナンシーが音もなく近づいた。気がつくとアダムは鋭いペインティングナイフで男を刺し殺していた▼ここまでで、本作は妄想オチだと思ったがそうじゃなかった。ヴァレリーはこうも言ったのだ。「リャナンシーに愛された者は幸せに死ぬ。悲惨なのは周りにいる人たち」。じゃせっかくできた彼女もアダムに協力的なヴァレリーも殺されるのか。案の定、リャナンシーは若い彼女に嫉妬した。アダムの様子が日に日におかしくなるので恋人は訳を話してくれと頼むが「無理だ。リャナンシーは実在する」。アダムの描く絵は禍々しく、不吉になる。生首。血だらけの人間の頭部。おまけにヴァレリーとくると「私の体験よ。昔、若い芸術家と恋に落ちた。彼は美しい詩を書いて。頭がおかしくなり部屋に閉じこもり、ある日森の中に消えた。リャナンシーの伝説と思われたけど、そうじゃない。仕事にとりつかれて気が触れたの。リャナンシーは実在しない。あなたの空想よ」リャナンシー空想説と実在説が出ました。「周りにいる者が悲劇的な死を遂げる?」「全員じゃないの。リャナンシーの愛を脅かす者だけを殺すの」▼じゃ、リャナンシーはガールフレンドもヴァレリーも殺しにくるはず。アダムは拳銃を用意する。電動ノコやら拳銃やら、この画家、けっこうハードボイルドね。アダムの部屋に来たガールフレンドの前にリャナンシーが佇む。「あなたはだれ?」若い女の問いかけに返事もせず襲いかかる。アダムが発砲しリャナンシーは倒れた。背中を撃ち抜かれた死体を見たヴァレリー「驚いた。実在したのね」。アダムはヴァレリーと死体を森に埋めに行く。リャナンシーを横たわらせ、土をかぶせ、去ろうとして振り返る…ヴァレリーが森から戻ってきた。車にアダムはいなかった。その頃、アダムはリャナンシーと二人、白い影のように森の中に消えて行ったのであります…どうせいというのよ。リャナンシーは個体を持っていて実在し、嫉妬深く、独占欲が強く美しく、芸術家に才能を換気させるが、彼が誰かを愛するのは気に入らない、これなら妖精でなくともいいじゃない。人間もどきにアダムは取り殺されたってわけね。しっかりしてよ。リャナンシー対女性画家ならどうだったか。毒クラワバ皿マデ。世界制覇するまで、リャナンシーをこき使うわよ。

 

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