女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「令和の新春ベストコレクション」

2020年1月2日

特集「令和の新春ベストコレクション」② 
ターミネーター:ニュー・フェイト(下)(2019年SF映画)

監督 ティム・ミラー

出演 リンダ・ハミルトン/アーノルド・シュワルツネッガー/マッケンジー・デイビス/ラモス・ナタリア

シネマ365日 No.3075

エモーション

特集「令和の新春ベストコレクション」

 サラ・コナーが「30億の人類を救ったのに、息子一人を救えなかった」慚愧で酒浸りになり、生きる気力を失った。そこへ発信者不明の不思議なメールが入る。場所日時を明記している。この日もサラはメールが示す特定の場所にいた。目の前では未来から送り込まれた悪の「REV—9」(以下REV)と強化人間グレースの戦闘真最中。ストーリーとしては「ターミネーター」「同2」の骨格が引き継がれ、未来の救世主を守る戦いです。シュワちゃんは映画が半分も進んだ頃、田舎の掘建小屋に家族と暮らす平凡な農夫として現れます。彼は昔の「T—800」。サラの息子ジョンを殺した殺人機で、サラは憎しみに逆上しますが、T—800は長い時間をかけ人間や人類から多くを学び良心を備えた。現在の名はカール。人間の家族の養父となって田舎で暮らし、生きる屍になったサラに、目的を与えようとターミネーター破壊のための情報を送っていたメールの主だった。シュワちゃんの好々爺設定は、心臓の手術もあり、アクションが難しくなった彼への思いやりでしょうか。撮影現場に現れたリンダ・ハミルトンの絞りきった体に、シュワちゃんは一驚した海岸から次々上陸してくる人類破壊軍のターミネーターの造形が美しい。メカニックの粋です。かくも豊穣な作り込みは、やはりハリウッドの底力ですね。REVは倒しても、倒しても、コールタールみたいな液がぬるぬると集まり、元の体に戻る不死身のマシン。サラ、ダニー、グレース、カールは空中輸送機から飛び移ってくるREVの追撃をかわしパラシュートで脱出、最後の決戦場(キル・ボックス)は、ダム地下の水力発電所のタービン室となった。巨大発電タービンにREVを巻き込んですりつぶすが、サラは「まだ奴は生きている」。息の根を止めるのは奴の神経系を断ち切るしかない。重傷を負ったグレースはダニーに自分のエネルギー源、大動力パワーパックを引き抜いてREVの内骨格につきさし、ショートさせるよう指示する。REVは苛烈なショートによって高温度内部溶解が始まり、押さえつけていたカール共々破壊された友情、捨て身のチームワーク、思いやりと自己犠牲、ライバルへの尊敬と感謝。どのシーンにも熱い思いがこもっています。これが「キャメロンのターミネーター」を多くの映画ファンが愛してきた所以だと思えます。人間を感動させるのは意味や理由のあるなしではなく、エモーションのあるなしだ。そんな乱暴なことを言いたくなるほど、彼の映画作法が大画面に躍動しています▼グレースを演じたマッケンジー・デイビスの起用は本作のアタリでした。恵まれた肢体にアクションのキレがよく、本作は彼女の新境地となるでしょう。リンダ・ハミルトンは63歳。金髪はグレーヘアとなり、深いシワも年相応でしたが、あちこちいじりまわしたりしない、ナチュラルな年輪が素敵でした。

あなたにオススメ