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特集「令和の新春ベストコレクション」

2020年1月5日

特集「令和の新春ベストコレクション」⑤ 
ホテル・アルテミス(上)(2018年劇場未公開)

監督 ドリュー・ピアース

出演 ジョディ・フォスター/ソフィア・ブテラ/デイヴ・バウティスタ

シネマ365日 No.3078

ホテルただし犯罪者専門 

特集「令和の新春ベストコレクション」

 時代設定は近未来ですが、冒頭ママス&パパスの「カリフォルニア・ドリーミン」でノスタルジックなレトロムード満開。ホテル・アルテミスは22年にわたって繁盛する犯罪者専門のホテル兼病院。仕切るのはナースのジーン(ジョディ・フォスター)と助手エベレスト(デイヴ・バウティスタ)だ。ジョディ・フォスターがドン引きの老けメークで登場します。だぶだぶの白衣(汚れて灰色)、履き古したスニーカー。彼女の金髪は灰色のボサボサ髪。セリフにも「小柄なババア」「ババアの看護師」が連発。でもやっちゃうのね、フォスターは。何が気にいったのだろ。ジーンは一人息子ポーを薬物中毒で失い、酒浸りになって医師免許剥奪。裏社会のボス、ウルフ・キングがジーンを犯罪者救済(?)の特別施設の責任者とした▼監督作には「マネーモンスター」がありますが、スクリーン復帰は「エリジウム」から5年ぶりです。ホテルでは宿泊者は部屋の名前で呼ばれる。ホノルル、ワイキキ、アカプルコ、ニースとかね。エベレストは文字通り雲つくような大男だから。彼は有能で忠実なジーンの部下、腕っ節の強さと度胸のよさで、最後までジーンを守ります。思うに、ジョディ・フォスターは「告発の行方」「羊たちの沈黙」など鉄板社会派もありますが、「おとなのけんか」とか「幸せの1ページ」とかコミカルな作品に強い。何しろ3歳から「私は女優よ(子役じゃないという意味)」と宣言してきた人ですから出演は多岐のジャンルにわたっています。特に「パニック・ルーム」とか「フライトプラン」とか、極限状況を打開する勇敢な女性をやらせるとピカイチ。本作もそうです。暴動が続くロスの街。ホテルの外は銃撃、炎上でエベレストは「退避しよう」と勧めるのですが、ボスは病院を動かない。自分がいなくなれば犯罪者を診る者がいなくなる。おとなしく入院(宿泊)している連中ではないのですが▼彼らはみな超ワケあり。銀行強盗に失敗して夜中に転がり込んできたホノルルとワイキキ兄弟。ワイキキはできの悪い弟のため仕事の足を引っ張られているが、弟を置いて逃げはしない。ニース(ソフィア・ブテラ)はワイキキの元カノで一流の殺し屋。腕の銃創を理由にアルテミスに入院したが、ジーンは一目で「上手に自分で撃ったわね」。彼女の目論見は入院患者の誰かの殺しだと察しをつける。アカプルコは女と外国人が大嫌いな差別主義者。ニースに向かって「ここにいるとうことは素人じゃねえ。俺の国じゃお前は安月給の使用人だ。お前は安物のタコス。俺は極上のステーキ」。ワイキキが聞き咎める。「俺は殺しのプロだが彼女はまだ上だ」口の利き方に気をつけろと凄みを利かせる。ワイキキの弟ホノルルの手当てで緊急措置をとるジーンに電話。「何て夜かしら」とぼやきながらモニターに映った女に愕然。彼女は元隣家の女性モーガンで息子ポーの遊び友達だった。そして今は警官!「会員以外は入れちゃならない」厳しく止めるエベレスト。ジーンはルールを破って屋外に出る。彼女は22年間の地下牢(のような)閉鎖生活で広所恐怖症になり、院外に出ると喘息の発作を起こすのだ。ゼイゼイ言いながらモーガンを運び込み応急手当。猫の手も借りたい時に病院オーナー、ウルフ・キングの息子から「傷を負った父親を運んで今からがそこへ行く」。ジーンは玄関でウルフ以外シャットアウトし、彼専用の個室ナイアガラに運び込む。病院には健全経営のための厳しい規則がある。「武器の持ち込み禁止。警官の立ち入り禁止。他の患者を殺してはいけない。医療従事者の指示に従う」でも彼らときたら全員掟破りなのだ。

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