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特集「令和の新春ベストコレクション」

2020年1月6日

特集「令和の新春ベストコレクション」⑥ 
ホテル・アルテミス(下)(2018年 劇場未公開)

監督 ドリュー・ピアース

出演 ジョディ・フォスター/ソフィア・ブテラ/デイヴ・バウティスタ

シネマ365日 No.3079

残る勇気

特集「令和の新春ベストコレクション」

 ニースは標的を殺す前に目障り、耳障りなアカプルコを始末する。彼女の標的は誰か。ジーンが女性警官の手当てに追われている間にニースはウルフの部屋ナイアガラに入る。「目を見て殺すわ」と雇用主に言ったのは、アイ・カメラで殺しの現場を「任務終了」の証拠として送るためだ。ウルフの首を掻き切った。息子が手下を動員し、玄関の鉄の扉(バスチーユ監獄のような頑丈なやつ)を破壊しドドド。父親の死体を見つけたから「どいつもこいつも生きてはここを出さない」。病院は戦場となった。ジーンはいち早く警官を逃していた。エベレストに逃げろと指示する。外は炎上する暴徒の群れだ。行くも地獄。残るも地獄。「一緒に逃げよう」「いいえ」動こうとしないジーンにエベレストも腹を決める。もう一人「残るわ」と言ったのがニースだ。彼女がアカプルコを殺す時、院内の電源を切った。停電のためワイキキの弟、ホノルルの生命維持装置が絶たれ、絶命した。彼女なりの謝罪のつもりだとジーンは受け止める▼ここからのアクションはソフィア・ブテラの一人舞台です。「アトミック・ブロンド」ではシャーリーズ・セロンに迫るフランス人の間諜員を立派にこなした美魔女系。ブーツに挟んだメスが飛ぶたびギャング集団に血煙が上がる。エベレストはといえば、石器時代の武器、棒の先に石の(鉄かも)玉の付いた超アナログ武器をガンガン叩き下ろす。ジーンは向かっていくが跳ね飛ばされ紙のように吹っ飛ぶ。ワイキキも残留組だった。弟を置いていけなかった(たとえ死体でも)。ウルフの息子はなんでもパパありきの孝行息子だ。「俺はパパのような男になるのが望みなのだ」と言った息子にウルフはため息をつき「それだから、こんな甘っちょろい男になっちまった」。最後は病院の大爆発。もうもうと立ちのぼる黒煙の中から傷を負ったワイキキを支え、ジーンが瓦礫の中に現れる。周囲は警官だらけだ▼車に乗って逃げようというワイキキに「アルテミスはおしまいね。でも私が街を離れたら誰が皆を治す。ベガスに闇の病院“アパッチ”があるわ。そこを訪ねて」。君はどうする。「何か思いつくわ」。廃墟となった病院で、ムクッと立ち上がった男が一人。床の「医療従事者」のワッペンを胸に貼り直す。ふとジーンが見上げた赤いロスの空に「ホテル・アルテミス」のネオンが灯った。エベレストが生きていたのだ。ニースはどうだろう。生きていればいいが、と思ってしまうのがこの映画のミソだ。アイデアがいいですね。高額な会費を払える犯罪者が隠れ家にし、実際の治療(警官に撃たれるとかの)もあり、手術はハイテク完備。全体に漂うクラシックでレトロなインテリアに建築。ギャップありすぎの設定をドリュー・ピアース監督はスピーディにコミカルに運ぶ。彼の監督第一作。成功じゃないでしょうか。ラストにヒューマンな香りをとどめたのもいい。フォスターがオファを受けたはずです。ペンシル型金庫総ダイヤモンド作りの「ブルー・カナリア」など小道具も脇役陣も凝っています。ウルフのジェフ・ゴールドブラム(「ザ・フライ」「ジュラシック・パーク」)の一度見たら記憶に残る顔は衰えず異様。嫌味男アカプルコのチャーリー・デイは「パシフィック・リム」「モンスター上司」のイケメン男子です。

 

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