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特集「令和の新春ベストコレクション」

2020年1月8日

特集「令和の新春ベストコレクション」⑧ 
ギルティ(下)(2019年 社会派映画)

監督 グスタフ・モーラー

出演 ヤコブ・セーダーグレン/イェシカ・ディアウェ

シネマ365日 No.3081

自らに下した「ギルティ」 

特集「令和の新春ベストコレクション」

ミゲルの留守宅を捜索していたラシードから電話が入った。「ミゲルは暴力的な行いで子供と引き離され、訪問権を失った。結論を言おう。シェラン島にあるのは精神科の施設だ。イーベンは以前そこの精神医療センターに入院していた」。アスガーは急遽ミゲルに電話した。「今どこだ」「殴られた。イーベン? 逃げた」「パトカーを送る。なぜ言わなかった。警察に赤ん坊殺しを通報すべきだった」「今まで誰に助けを求めても無駄だった。お前らはみなクソだ。息子は死んだのだぞ。オリバーを見て決めたのだ。俺がやらなきゃ。何もかも片付けたかった。イーベンを助けたかったのに。あいつは自分のやったことがわかっていない。オリバーを助けた気でいる。俺は事実が言えなかった」▼アスガーはラシードに電話を入れた。「もういい。帰れ。明日は俺のためにウソをつかなくていい。撃ったのは俺だ」別室から「イーベンという通報者が君を指名している」。アスガーが取った。「わたしがオリバーを殺したの?」「故意にじゃない。助けを送るから場所を教えてくれ」「手が血だらけ。下のほうに…」「陸橋にいるのか」「飛び降りる」「みんな君を助けたいと思っている。馬鹿な真似はやめてくれ」そして一息に「僕は人を殺した。相手は19歳だった。理由は“殺せた”から。彼は悪事を働いたが殺す必要ななかった。正当防衛を装って殺したのだ。人生にウンザリして何かを取り除きたかったのだ。なんだろう」「蛇?」「そうだ。蛇だ。僕はわざと殺したが君は違うだろ。君に会いたがっている娘がいる。ママは家に帰らせると約束した。君を愛している人がこの世にいるのだよ」「アスガー、あなたはいい人ね」その言葉を最後に無音。電話が鳴った。「イーデンを保護したわ」「無事で?」「無事よ。お手柄ね」。同室の警官たちがアスガーを注視している。黙って席を外し、長い廊下の端まで行ってケータイから誰かに電話した▼ワンシチュエーションの会話劇です。スピーディに状況と会話が切り替わり、90分を一気に運んでいきます。女の告白を聞いてアスガーは我にかえる。罪を犯す蛇は自分にもいた。相棒に偽証させてうまく立ち回り、復職するつもりだった。でもできなかった。蛇を、自分の悪を認め「ギルティ」としたことで彼は自分を取り戻した。良心の呵責に怯えることもない。警官はクビかもしれないが、暗かった心に日はさしてくるだろう。罪に対しては受けるべき罰を受け、やり直そう。きっとわかってくれる。誰が? 電話をかけた相手は別居中の妻のように思うのですが。

 

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