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特集「最高のビッチ」

2020年2月10日

特集「最高のビッチ10」⑩ スーザン・ヘイワード1 
私は死にたくない(上)(1959年 事実に基づく映画)

監督 ロバート・ワイズ

出演 スーザン・ヘイワード

シネマ365日 No.3113

アウトロー

特集「最高のビッチ10」

バーバラ・グレアム(スーザン・ヘイワード)の出所から映画が始める。仲間のアリバイを偽証して1年の刑務所入り。気のいい女なのだなと思う。少女期から非行の数々。家出4回、放浪罪1回、売春行為3回。感化院2年。「あたしを産んだ母の存在が最も重い罪よ」とうそぶく。保護観察期間5年以内にサンフランシスコを出れば逆戻り。「人は選択ができるわ。地道な道をね。仕事か、結婚もいいわ。それがダメなら他の道を探すのね」。係員の助言も馬の耳に念仏。バーでとある客がバーバラに話かけている。「僕が君の小切手を現金にしよう」。バーバラはカモだとみて小切手を出すと、バーテンがグラスに肘をあてカウンターにこぼした。「あんた、それでもプロなの」毒づくバーバラに、バーテンは低頭し、耳元で「(こいつは)サツだ。風紀係だ」。バーバラ席を外しトイレに行く。危ういところで助かった▼そのバーバラが結婚し赤ん坊がひとりいる。3回の離婚歴があるのに性懲りも無く結婚した。主婦に憧れたが飽きた。夫ハンクはギャンブル依存症。「ハンク、妊娠した時賭けはやめてと頼んだでしょう」「これが最後だ。10ドル出せ。でかく稼いでくる」。夫は出て行ったまま帰ってこなかった。愛想が尽きたバーバラは子供を連れて家を出た。昔仲間のアパートに行った。男二人はサツに追われていて今から逃亡するという。「あたしは札付きで夫は行方不明。私も一緒に行くわ」。バーバラは子供を夫の母親に預けた。ラジオのニュースが「モナハン夫人殺害」のニュースを告げ、殺害犯のひとりと見られるキングがメキシコで逮捕。「当局に重大な情報を提供したもよう」と告げる。その夜、ロス市警がバーバラと仲間二人の男がいるアパートを包囲し逮捕した。罪状は「殺人罪」。人なんか殺していない、濡れ衣だとバーバラは叫ぶが刑務所に逆戻り▼面会に友だちのペグがきた。売春か、家出か知らないが、昔の仲間だ。「来てはダメよ」とバーバラはやさしくとがめる。「あたしに会うと旦那に言ったら過去が知れるわよ」「夫には言ってあるわ。あなたに会いに言ったら、それでこそ本当の友達だと言ってくれた。バーバラ、大丈夫なの」「今度こそ本当のピンチよ。みんな自分の損得でルーレットの球みたいに私を回す。地方検事選挙、新聞の売れ行き、警察の宣伝」…バーバラはさんざん泥水をかいくぐり、男など鼻であしらう女であると同時に、世間の裏を見抜く頭のよさをもち、子供を愛するよき母であり、ギャンブル狂の夫からも家庭を守ろうとする妻であり、彼女のことを芯から心配するよき友もいる女だったのだ。もう一つ、彼女はそれまでの生育歴から権力と体制が弱いもの、少数派に苛烈であることを、身を以て経験してきた。特に警察は大嫌い。彼らは自らの保身と権力のアピールのために、弱いものを痛めつけて帳尻を合わせると信じている根っからのアウトローだった。

 

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