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特集「怖いものみたさ」

2020年3月18日

特集「怖いもの見たさ2」① 
ラ・ヨローナ〜泣く女〜(2019年 ホラー映画)

監督 マイケル・チャベス

出演 リンダ・カーデリーニ/マリソル・ラミレス

シネマ365日 No.3150

どこか切ない 

031821怖いもの見たさ2

「死霊館」シリーズのスピン・オフです。「アナベル 死霊博物館」と「死霊館 エンフィールド事件」の間に位置します。中南米に伝わる民話「ラ・ヨローナ」(泣く女)がテーマ。殺人鬼、悪霊など何世紀も親が子に語り継ぐ怖い話です。それによると夫が浮気し、嫉妬した妻は夫の宝物を奪ってやると、自分たちの二人の子供を溺死させるが、後悔し自らも川に身を投げ死んでしまう。彼女の霊はこの世をさまよい、他人の子供をさらっていく、というもの。本作はオープニングが1673年のメキシコ。そこから1973年のロサンゼルスに飛びます。なぜ70年代かというと、たぶん製作総指揮のジェームズ・ワンの方針で、C・Gを使わないクラシックな撮影にこだわり、スマホもインターネットもない時代に設定したためと思われます。ラ・ヨローナに扮したマリソル・ラミレスは、終始ぎょっとする特殊メークで登場。大きな黄色い目、顔に黒カビが生え、黒い涙を流す。ストーリーもさることながら、まず見た目の怖さで勝負。メーク時間は3時間かかったそうです▼ソーシャル・ワーカー、アンナ(リンダ・カーデリーニ)は、児童監禁の疑いのある二児の母、パトリシアの家に行き子供たちを保護するが、パトリシアは「虐待でも監禁でもない、子供たちをラ・ヨローナから守っているのよ」と主張する。アンナは無視して子供たちを福祉施設に収容したが、二人の子供は川で溺死体となって発見された。母親は悲しみに怒り狂う。「あの女の泣き声を聞いたら必ず殺される。あんたの子供たちもいずれ聞くはず」と不気味な言葉を投げつけた。警察に収監されているパトリシアにアンナは会いに行った。ラ・ヨローナについて詳しく知りたかった。パトリシアは「ラ・ヨローナはあんたの子供たちを狙っている。私が教えたからさ。彼女に祈ってあんたの子供たちを奪えと教えた」。自分の子供が死んだのはアンナが余計なおせっかいを焼いたからだと恨んでいます▼二人の子供、息子のクリスと娘のサムに変なことが起こり始める。ラ・ヨローナは家の中に姿を現し、サムの髪を洗い、風呂に浸けて殺そうとする。クリスが車に乗って母親を待っていると、クルクルと窓のハンドルが勝手に回り、閉めたはずの窓が開き恐ろしい顔が覗き込む。とうとうアンナまで幻想を見るようになります。彼女が救いを求めたのは元神父ラファエロ。彼はラ・ヨローナとの対決を覚悟する。ストーリー自体は悪霊払いですが、その見せ方がクラシックです。一連の死霊館シリーズと同じく、照明を最小限に抑え自然光を取り入れたセット、木造の家、長く狭い廊下、建物のゴシック的空間。マリソル・ラミレスの特殊メークは本作の売りですから、監督はしばしばアップで登場させます。それと水。彼女が現れる条件は必ず水があること。サムが風呂場にいる時に、音もなくラ・ヨローナの長い黒い爪が触れてくる。サムは母親が髪を洗ってくれるものだと思って安心している。髪をすすごうと湯に顔をつけたら浮かび上がれない。あるいはプールのそばの忘れられた雨傘。いくつかの水のアイテムがラ・ヨローナを導きます。子供をあの世に連れ去ろうとする母霊の映画に「MAMA」がありました。ギレルモ・デル・トロの製作総指揮、アンディ・ムスキエティ監督、主演がジェシカ・テャスティン。誰も彼女の代表作には数えないだろうけど、意外な佳品でした。元はといえば自業自得で辛い目にあったラ・ヨローナですが、何としてでも子供を奪っていこうという執念には、どこか切ないものがあります。

 

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