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特集「見えない」

2020年4月6日

特集「見えない」⑥ 
思い出のマーニー(2014年 ファンタジー映画)

監督 米林宏昌

出演(声) 高月彩良/有村架純

シネマ365日 No.3169

不滅の真珠 

特集「見えない」

おかしくない? 早い段階でヒロイン杏奈(声=高月彩良)は、マーニー(声=有村架純)は実在しない、自分の空想が生み出した少女だと認識するのだけど、にもかかわらずマーニーとサイロに行くとか暴風雨に会うとか、せっせと喋ったりハグしたりするのね。架空の少女だとわかってもなお妄想するのでしょうか。くどくて(一体どうなってる)と思いかけたところへ、マーニーの生涯を知る画家の女性が、いきさつを絵解きしてくれる。そうか、マーニーって実在したのね、私の空想じゃなかったのね、と杏奈にわかった。「私の大好きな家 マーニー」とサインのある古い写真が見つかり、幼かった杏奈は、今の養い親にもらわれてくる時、その写真をしっかり持ってきた。結論を言うとマーニーは50年前の自分の祖母だった▼杏奈がマーニーと過ごしたいろんな出来事は、マーニーが生まれたばかりの杏奈に語ってきた物語です。それが湖畔にあるクラシックな湿地屋敷を見た時、潜在意識の底から浮かび上がる。マーニーは恵まれた裕福な家の一人娘だが、両親は放任、優しくないメイドに日常の世話をされていた。従兄の幼馴染の和彦だけが心の慰めだった。マーニーは彼と結婚し札幌に移るが夫は死亡、娘を産んだもののマーニーは衰弱しサナトリウムに。やむなく娘を全寮制の学校に入れ、数年後引き取ったが、娘は母親が自分を手放したことを恨み、クズ男と出奔した。娘を一人産んだ。それが杏奈です。マーニーは孫を育てる決心をするが、家族に次々先立たれたショックで彼女もまた一年後に亡くなる。その間、壮大な湿地屋敷のこと、両親が開く華やかなパーティー、父母にはあまりかまってもらえず寂しかったこと、友達がほしかったことを杏奈に語り聞かせた▼杏奈は養母が補助金欲しさに自分を育てていると思い込み、ある時から心を閉ざし、喘息の発作まで起こす。養母は心配し、海辺の家で夏休みを過ごせるよう知人に頼む。そこで杏奈の物語が紡ぎ出されたわけ。「私たちのことは永久に秘密よ」なんて、どんな展開になるのかと思ったらネタバレは「実在した祖母」。これが感動の源になるか肩透かしになるかは観た人次第ね。でもかなりレスビアニスムふうのリードよ。いちばんのそれはマーニーを同い年くらいの少女として登場させたことね。祖母だったらファンタジーにはならないってわけかい、おい▼とまれ、杏奈は心のモヤモヤが晴れ、養母のやさしさもわかり「マーニー、あなたを忘れない」そう繰り返し誓う。マーニーという実祖母が力強く存在を主張します。夢に現れた美しいマーニー、私はあなたと血の繋がった孫。ここに至ってマーニーは杏奈の存在の貴重な根拠、不滅の真珠となったのです。うん、よかったですわ。

 

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