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特集「B級映画に愛をこめて」

2020年5月7日

特集「B級映画に愛を込めて14」⑦ 
デッドハング(2015年 スリラー映画)

監督 マレク・アッカド

出演 サラ・バトラー

シネマ365日 No.3200

殺し屋がやってきた! 

特集「B級映画に愛を込めて14」

アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」のサラ・バトラー主演。超高層ビルのエレベーターに閉じ込められたヒロイン、ジェーンの脱出劇です。大手証券会社に勤務するジェーンの上司マイクが屋上から飛び降り自殺した。サラは納得いかないまま、ゴールト会長(マルコム・マグダウェル)から後任に指名されたが…マイクのデスクからUSBメモリーを見つけ、大金が不正運用され海外口座に振り込まれていることを発見する。同僚のタフトに相談すると、証券取引所に通報するにしても証拠が要る、問題が大きすぎて自分の手に負えないと判断した彼は緊急管理のプロ、フランクに内密に調査してもらうよう依頼した。やってきたフランクとはゴールト会長に雇われた殺し屋だ。サラはエレベーターで脱出しようとするが、警備員はすでに殺され、緊急警報は切断。高層ビルに残ったのはサラと、殺し屋とタフト。男二人がサラをエレベーターに閉じ込められたサラを、じわじわ追い詰める▼「アイ・スピット…」のヒロインが言語道断の復讐をやってのけた鮮烈な印象に比べたら、本作のサラ・バトラーは真っ当なお嬢さん。普段から恋人相手にボクシングか、テコンドーか、格闘技の練習をしていまして、エレベーターをこじ開けて入ってきた殺し屋とタイマン勝負はあるものの、一前作にあった憎悪のエネルギーが薄れた分、おとなしいものになりました。殺し屋のおじさんがメタボで、特に機敏でもホラーでもないことも減点。あるいは、フツーの顔で市民に紛れ込んでいる男こそがプロの殺し屋であるという、隠れた主張なのでしょうか。殺し屋と雇い主はエレベーターの中のヒロインをどうやって殺すかケータイで相談する、というのものんびりしている。あまつさえ修理業者を呼んで、エレベーターのドアを開けさせるのも、つくづく(ドジな殺し屋ね)という感を強くする。気の毒に業者さんはとばっちり食って銃で撃たれるけど、ラストでは命に別状なし。気の毒なのは家族のために手当を増やそうと、夜間任務を引き受け殺されちゃった警備員の男性よ。彼に対する哀悼が足りないわ。ヒロインの恋人はタイミングよく高層ビルに到着するし、殺し屋はヒロイン必殺のアクションでエレベーターの屋根から真っ逆さま。うまくいきすぎで、お世辞にもサスペンスとは言い難い▼危機を切り抜けたヒロインが本社玄関の入り口でリムジンから降りたばかりの会長と出会う。なんだ、彼はまだのうのうとシャバの空気を吸っているのね。ついでにマルコム・マグダウェルが登場した段階で、こいつが黒幕だと見当がついてしまうのもある意味ミス・キャストよ。他にワルの迫力を出せる人、誰もいないのだもの。文句の最後はこれ。ジャケ写に一言。高層ビルの夜景を眼下に、窓の外ワクに立ったヒロインが太腿まで破れたスカートと、血だらけのブラウスを着て空を見上げている、なんてシーンはどこにもありません。ジャケ写詐欺だわ。サラ・バトラーは本作の直後「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ3」に登板。リカバーを図りました。賢明な選択だわ。

 

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