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特集「神も仏もない映画」

2020年5月20日

特集「神も仏もない映画4」⑤ 
ブルー・ダイヤモンド(2019年 サスペンス映画)

監督 マシュー・ロス

出演 キアヌ・リーブス/アナ・ウラル

シネマ365日 No.3210

「ぼっち」映画 

特集「神も仏もない映画4」

寒くて痛い映画だわ。キアヌ・リーブスはアメリカ人の宝石商ルーカス。ロシア人のビジネスパートナー、ピョートルから世界的な希少ダイヤ、ブルー・ダイヤモンドの取引を持ちかけられ、サンクトペテルブルクへ飛んだ。ピョートルのマンションに到着すると彼はいない。受付嬢は「ミールヌイに行った」と言います。ルーカスがダイヤを売るはずの暴力団のボス、ボリスは取引が空振りになっていたく不機嫌、2日間のうちにダイヤを持って来いと要求した。ルーカスはミールヌイ(シベリア東部、ダイヤの産出地)に行く。うら寂れ空気も大地も凍りついた街。カフェを営む地元の女性カティアと知り合う。店内でルーカスに絡んだ男たちと喧嘩になり、叩きのめされたルーカスをカティアが介抱する。ピョートルの兄弟、アンドレイは、ピョートルは暴力団で元スペツナズ(ロシア特殊部隊)のサムソノヴァに偽ダイヤを売り、彼に追われているとルーカスに告げる▼ルーカスのダイヤ探しが始まるが、青いろうそくにダイヤが隠してあったとか、探し出したピョートルは殺されていたとか、ボリスが欲しがるダイヤは依然として見つからない。そこへFSB(ロシア連邦保安局)がサムソノヴァを逮捕し、ピョートルが彼に売った偽ダイヤを押収した。同局の責任者は、ボリスに本物だと言って売れ、君の鑑定だったら信用する、金は保安庁の口座に振り込めというのだ。ルーカスはボリスに会いダイヤを渡す。専門家が鑑定しようとするが、ボリスはルーカスを信用し取引成立。ルーカスはアメリカ行きの飛行機に乗ろうとしたとき、アンドレイからピョートルの居場所が分かった、ミールヌイだとメッセージが入った(すでに殺されていたのですが)。ルーカスはミールヌイに引き返し、カティアに会う。ダイヤが偽物だと分かったボリスが手下を差し向けた。ルーカスはカティアの兄が用意してくれたライフルで応戦するが、多勢に無勢、銃撃戦の最中、射殺される▼キアヌが5000万ドルのダイヤを取引する凄腕に見えません。猶予は2日間だというのに、彼はカティアと(そんなヒマないはずでしょ)と心配するくらい何度も愛し合い、それも妻に慚愧の念を覚えながら、積極的なカティアに常にリードされている。ラストは、アンチヒーローにはこういう死に方がふさわしいという主張でしょうが、盛り上がりゼロ。だからと言ってこの映画を責めてはいけないのだ。寂寥たるシベリアで、何一つ報われず無為に死ぬ男をみよ、という映画に違いない。それならそれで男が虚無的にならざるをえぬ背景をもっと教えておいてほしかったわ。鳴り物入りのブルー・ダイヤモンドが、おはじきみたいに小さくて薄っぺらだったのも肩すかしだった。キアヌは製作にも噛んでいる。こういう「ぼっち」映画をつくるところが彼らしいのかも。

 

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