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特集「ナンセンスは素敵だ」

2020年5月23日

特集「ナンセンスは素敵だ6」③ 
パペット大騒査線 追憶の紫影(2019年 コメディ映画)

監督 ブライアン・ヘンソン

出演 メリッサ・マッカーシー/マーヤ・ルドルフ/エリザベス・バンクス

シネマ365日 No.3213

お下品お下劣でゴーゴー

特集「ナンセンスは素敵だ6」

ロサンゼルスの片隅でレトロな探偵事務所の私立探偵フィル。彼はパペットだ。人間とパペットの共存社会だが、パペットは二級市民とみなされ「くず人形」「マヌケ」と差別されている。フィルはそんなパペットをトラブルから救う探偵だ。事務所にセクシーパペット、サンドラが仕事の依頼に来た。1000万ドル払わねばセックス依存症をバラスという切り抜き文字の脅迫文を受け取っていた…と筋を追いかけただけで(ムフフ、ぐふふ)と思い出し笑い。要点を書くとテレビ番組「ハッピータイム・ギャング」のメンバーたちのパペットが次々殺される事件が起こった。再放送開始により利権争いが仲間内で内発、フィルは元相棒のコニー(メリッサ・マッカーシー)と再び組んで犯人逮捕に向かう▼彼らはロス市警で検挙率トップのコンビだったが、逮捕の直前コニーが人質に、撃ったフィルの弾丸は外れ、そばにいたパペット父娘の父親にあたり死亡。誤射事件によりコニーは負傷、フィルは免職、パペットは警官に採用しない「フィル・コード」までできてしまった。以後犬猿の仲となった二人だったが。メリッサ得意のバディものだ。社会弱者であるパペットは、今の社会では移民とか、ゲイとかのマイノリティに当たる。シリアスな社会派映画なのだが、メリッサがプロデューサーとなればシリアスはむろん、コメディの域も突き抜け、エロいわ、グロいわ、お下品・お下劣だわ、というナンセンスの傑作になってしまった。「氷の微笑」の名シーンまである。フィルが聞き込みに入ったポルノ・ショップ店でまずのけぞらしてくれる。カーテンの奥で「雌牛の乳しぼり」。パペットの牛から牛乳を絞るのだから、どこも、何もいやらしくないはずなのに、ユーモラスなパペットのフィギュアに腹を抱える。監督のブライアン・ヘンソンはアメリカ映画史のもっとも重要な操り人形師、セサミ・ストリートの生みの親、ジム・ヘンソンの息子だ。彼が創設したジム・ヘンソン・カンパニーの作品は数多いが「ダーククリスタル」が傑出していた▼二人が追い詰めた犯人はサンドラだった。フィルが誤射で殺したパペットの娘だ。彼女の髪は紫色だった。父親の復讐のため殺人を続けているうちにサンドラは快楽殺人に目覚め、今やノンストップ。恋人であり一緒に暮らすジェニー(エリザベス・バンクス)まで撃ち殺す。自家用機で脱出するサンドラを追って空港まで来たフィルとコニー。コニーはサンドラの仲間に抑え込まれ銃口をぴたり。悪夢が蘇る。撃てるか、フィル。フィルの弾丸はサンドラの頭を撃ち抜いた。ストーリーに起伏があって、スピーディで、セリフと場面が刺激的で、R指定も無理ない。興収はメリッサの主演作品としては過去最低で、批評家の支持も低かったけど、もっと寛大であってもいいでしょ。メリッサ・マッカーシーは本作でゴールデン・ラズベリー賞主演女優賞、一方で「ある女流作家の罪と罰」によりアカデミー主演女優賞候補となっています。潜在能力の点から見れば、得がたいまでのギャップじゃない。

 

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