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特集「最高のビッチ」

2020年5月31日

特集「最高のビッチ11」⑥ 浅丘ルリ子 
デンデラ(2011年 社会派映画)

監督 天願大介

出演 浅丘ルリ子/草笛光子/倍賞美津子/山本陽子

シネマ365日 No.3221

もはやカルト映画 

特集「最高のビッチ11」

浅丘ルリ子は「デンデラ」の“ビッチたち右代表”として挙げました。それくらい女優陣の怪演はドギモものです。100歳のメイ(草笛光子)となると妖怪に近い。雪深い山奥、70歳になって捨てられた老婆たちは、過酷な自然環境で生き残った者たちが「デンデラ」と名付けた集落で自給自足を送っていた。70歳になったばかりのカユが目にしたのは、死んだはずの村の年長者たちだ。安らかに天国に行ける邪魔をしたとカユは怒る。婆さまたちは「天国? なにを小娘みたいなこと、言っとる」小バカにしてデンデラの創設者メイに会わせる。膝まで埋もれる雪の中で女たちが槍や弓の練習をしている。カユが来て総勢50人。「機は熟した」とメイは里の村襲撃を宣言する。カユは従順で、メイの憤慨する、差別にあぐらをかく男社会への弾劾はない。おとなしく死ぬつもりだったのに、なんなの、この人たち?▼メイは公平なリーダーで「いろんな人間がいれば考え方の違う者もいる」と、襲撃反対派・マサリ(倍賞美津子)たちの意見も尊重する。体が弱った者はみんなで世話すればよい。次の満月に決行と決めたところ親子のクマが襲った。カユの親友クラは右足を食いちぎられる重傷を負う。子クマを殺され、親グマはさらに凶暴になった。クラを囮にクマをおびき寄せようという罠に、メイは憤るが「この体が役に立つならそれがいい」とクラ。待ち伏せして総力戦でクマに向かうが撃ち損じクマは逃走した。クラは横たわったまま、かぶさってきたクマに勇敢に槍を立て殺された。運命は過酷だ。村に出撃した一行は雪崩に遭遇する。メイは埋もれ、中心軸を失った「デンデラ」は崩壊寸前▼マサリは次なる土地へ移り「デンデラ」を立て直そうという。カユもそれがいいと思う。前向きになったところへクマ襲来。マサリは死を覚悟し、小屋にクマをおびき寄せ火を放ち、もろともに焼け死ぬ…はずだった。無残。クマだけ逃げてマサリは死ぬ。ここに至ってそれまで「デンデラ」に批判的だったカユが「オレがクマを殺す」バンダナをきりりとしめ(ランボーもこれまで)、一人山奥に向かう。自ら「おせっかいババア」と称するヒカリ(山本陽子)が同行した。クマが二人を発見した。腰が隠れる雪の中を逃げる。クマの方が早い。ヒカリは倒され、カユはひたすらクマの追跡を背に、いつの間にか里に下りていた。村に突入したクマは、手当たりしだい男たちを血祭りにあげる。カユはクマに村を襲わせ全滅させたのだ。クマと睨み合ったカユは「また子を産むつもりか。オレとお前とどっちの負けだ」と呻くように訊く。(知るかい)クマはノシノシと背中の赤いヤケドの跡を見せながら奥山に去った▼中盤からストーリーは「デンデラ」より、クマが主人公になっていますが、女優陣の怪演がチョコチョコした疑問を吹き飛ばします。アイパッチをつけた非戦派の倍賞美津子、ロマンポルノの女王白川和子、ヒロインと決死行を共にする山本陽子。そんな男前たちが高齢アマゾネス社会を多彩にしました。公開当時の実年齢は草笛光子(78)、浅丘ルリ子(71)、山本陽子(69)、倍賞美津子(65)、白川和子(64)。2020年現在も元気に活動中。これぞ「デンデラ」の遺伝子か。もはやカルトと呼ぶにふさわしい。

 

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