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特集「密室でミステリーを」

2020年6月30日

特集「別室でミステリーを」⑩ 
パラノイド・シンドローム(2013年 心理映画)

監督 ジェイ・アナニア

出演 ウィノナ・ライダー/ジェームズ・フランコ

シネマ365日 No.3251

いうほど悪くない映画

特集「別室でミステリーを」

かなり低評価だったけど、そう最悪とも思えないのですけどね。確かに冒頭から「わずかに思い出せるニューヨークの生活の中で、何かが起こった。全て事実だったと信じている。だがそれは夢想で始まった」と、すでに空中散歩みたいな予感を与えます。ヒロインの劇作家マーティーン(ウィノナ・ライダー)が、出演する俳優たちを集めて立ち稽古を始めています。私生活のパートナーであるレイモンド、若い女優のアニタとジュリー、そこへ初参加のタイロン(ジェームズ・フランコ)が来る。マーティーンはかねがね彼と一緒にやりたいと思っていたからみんなに紹介し、歓迎します。稽古の後レストランで食事しますが、タイロンは初対面のアニタに「何か秘密を抱えているね」と突っ込んだ質問をし、アニタは嫌がりぎこちないムードになる。劇中何度も「何が言いたいのだよ」とか「意味がわからない」とか「隠し事があるね」とかのセリフが頻出するものの、因果関係は明らかにされません。観ていてイライラするの、無理ないです▼マーティーンは毎夜よく眠れない。奇妙な夢を見る。誰かの声が聞こえ、いつも見つめられている気がする。記者のエリザベスの取材に答えながら、彼女の名前も思い出せず、何をしゃべっているのかわからなくなる。レイモンドのカバンに、大量の銅のサプリメントが入っていた。摂り過ぎると体調を崩す。不安定なマーティーンは脚本の内容を突然変更し、俳優たちを戸惑わせる。こんなシーンが挿入される。アニタ「あなたとのことで何もないフリはイヤ」。レイモンド「彼女は今も見ている」。普通に考えるとレイモンドとアニタは深い関係のようです。次のシーンではジュリーとタイロンがこういう具合。ジュリー「本気よ」タイロン「僕はいいやつか」「さあ。いい人かも。なぜ?」「君に断りもなく、こんなことしているのに…」ジュリーは彼の膝に乗る体位です▼稽古中、発作的に飛び出していったマーティーンを追って、俳優たちは夜の街に探しに出ます。マーティーンは中年のおじさんが自分に変なことをしたと騒ぎ立て、パトカーが来て病院に収容された。髪を超短髪にカットされました。精神病院に収容されているようです。医師の説明「彼女はスコポラミンというコロンビアの植物の葉から精製した毒物にさらされています。経路は不明。人の意思や理性を奪う作用があり、犯罪者がよく使う。こんなふうに顔に吹き付けるの(マーティーンが街路で知らない男にフ〜と息を吹きかけられたシーンがあります)。色も匂いもないから被害者は気がつかない。モルヒネと併用すると、半麻酔状態になり、一種の自白剤としても知られる。血液脳関門を透過し、中枢神経系に作用する。彼女の量はわずかだけど、長期にわたってさらされた。問題は経路より期間だと思う。残念ながら長くさらされた結果、明らかに神経的な問題が生じているわ」。しかるに、街でマーティーンの顔に息を吹きかけた男は、レイモンドと会って、何かを渡している。あとは観客の受け取り方次第、なんて放り出したりしない、きちんとケツをくくる親切な映画です▼アニタと付き合うレイモンドが。マーティーンの神経をおかしくさせ病院に入れて厄介払いしたわけよ。ジェームズ・フランコが気の毒ね。眠たそうな目でマーティーンを見てばかりで、行動力のない、ただのイチャモン男だった。ウィノナ・ライダーは「ブラック・スワン」で一時のメンヘラ女優から復帰し、「おとなの恋はまわり道」ではキアヌ・リーブスと芸達者な掛け合いを見せています。コメディに強いのは力のある証拠よ。デビューから34年。どんな非凡な女優にも、本人さえ触れられたくない駄作凡作はあり、駄作凡作しかないのがそうでない女優よ。頑張って。

 

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