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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2020年7月8日

特集「映画に見るゲイ13」311 
検視法廷  3つの花束(2016年 LGBT ミステリー映画)

製作総指揮 ウィル・トロッター

出演 クレア・グース/マット・ハートドック

シネマ365日 No.3258

「リサとリー」の悲しみ 

通りかかりの小ぶりな店に入って、おや、こんなところに“小まし”な店があったのだと気がつく、ちょうどそんな感じに似た作品。「検視法廷」の後に「美人検死官ジェーン」という、ウケ狙いの邦題が入っています。シリーズ2で打ち止めとなったBBC製作のテレビドラマです。44分と短い尺ですが、切り口がなかなかよかった。「検死官」と言えば一番先に浮かんだのが、パトリシア・コーンウェルのヒロイン、ケイ・スカーペッタ。読みましたよ〜。1980年代のベストセラー。スカーペッタ並みのハードな仕上がりを期待していたのですが、全然違いました。でもま、見てガッカリはしなかったですね。ジェーン(クレア・グース)はイギリスはデヴォン州、海辺の田舎町で検死官として働く。母・娘と三人暮らしのバツイチ。相棒は元恋人のディヴィー(マット・ハートドッグ)と、ちょっと頼りないが仕事に忠実な助手クリント。40年間放置されていた廃屋で、撤去に入った工事人が子供の白骨を見つけた。新生児だった▼建物は元養護施設だった。古い写真を手に入れたジェーンは、3人の少女サラ、カレン、リサの「その後」を追っていく。彼女らのうち誰かが妊娠に遺棄したと考えたからだ。同施設はオーナーのガワーが手放した後、入居者は介護施設グレイベルに移っていた。サラとカレンはすぐに会えたが、リサの足取りだけがわからない。写真で見る彼女は憂いのある美人だ。詳しい話を聞こうとジェーンはサラを訪ねた。兄のリーがアメリカから来ていた。リーも当時同じ施設にいたが、リサのことはほとんど覚えていないという。聞き込みが進むにつれ、姉妹はこれ以上隠しておけないと、兄に帰国を促す。なぜリサは消えたのか。ジェーンは廃墟のそばで花束を3つ拾った。写真に残る若き日の三姉妹。帰国の途につくリーをジェーンは呼び止める。部屋にはサラとカレンもいた。ジェーンはリーに言う「あなたがリサね」▼当時のオーナー、ガワーは少女たちをなぶりものにするレイプ魔だった。リサは妹たちを守るため、身代わりとなった。リーことリサの告白。「私は昔リサだった。男に生まれたかった。あれは私の本当の体じゃなかったから、何をされても気にしなかった。妊娠するまでは。お腹を隠し、秘密の家に逃げた。生まれたのは男の子。死産だった。トムと名付けた。トムを失い、新しいスタートが必要だった。海外では性別適合手術ができる。高額だ。ガワーを脅して金を出させ、フィリピンで手術を受けリーとなった」。「ガワーを脅迫した罪はあるが、リサは死んでいることだし」とディヴィーは不問に付す。三人は花束を持ってトムの墓に行った。墓碑銘は「リーとサラとカレンが愛したトム」。ジェーンの報告書。「評決。死産」。イギリスの検死官は変死体が発見された時、死因を詳しく調査し、法廷に提出する重要な役職です。1976年に起きた新生児死体遺棄事件が、40年を経過し、リサとリーが同一人物とわかった時、トランスを求めたリサの悲しみが一挙にドラマを熱くしました。

 

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