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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2020年7月10日

特集「映画に見るゲイ13」313 
Girl/ガール(上)(2019年  LGBT映画、事実に基づく映画)

監督 ルーカス・ドン

出演 ヴィクトール・ポルスター/アリエ・ワルトアルテ

シネマ365日 No.3260

血まみれの足指 

特集「映画に見るゲイ13」

ララ(ヴィクトール・ポルスター)がバレエの名門校で学べるかどうか、口頭試問を受けています。「バレリーナとして将来を期待するのは難しいわ。でも相当の努力家のようだから、8週間のテスト期間を設け練習についてこられるかどうか、見極めます」。真面目で努力家、ストイックでひたむき、そんなララは15歳のトランス。バレリーナになる夢を叶えるため、大げさでなく、ボクサーとどっちが厳しいか、言語に絶する練習に耐えます。最大の障壁は自分自身の肉体。男の体であるから思春期の第二次性徴が顕著に表れる。医師とセラピストが協力して治療に当たる。「ララは二次性徴を抑えているので、ペニスが発達していない可能性がある。その場合S字結腸の一部を使って膣の長さを確保することになります。リスクとしては異常出血や感染症。直腸膣瘻というのもある。腸に穴が開き、便が膣内に入ってしまうのです。万一そうなった時は瘻孔が治るまで人工肛門を使用します」ララの父マティアスは息苦しくなってくる。息子から娘に変わるには、なんと危険で辛いプロセスがあるのか▼レッスンが厳しい。先生「この学校では12歳からポワトン(つま先で立つ)の練習を始めるの。軽い練習の積み重ねで徐々に足を強くしていく。あなたの場合はそうじゃない。だけど頑張るしかない。足の指を切るわけにいかないもの」。この意味は、成長期にあるララは身長が伸びるにつれ足も大きくなり、それをシューズが締め付ける。レッスンのあと引き剥がすように靴を脱いだ足指は血まみれです。教室ではレオタードになる。生徒たちの目が自分の胸と下腹に注がれるのをララは知っている。意地の悪い女子がいて、帰ろうとするララを無理に引き止めシャワーを使わせる、他の女子がそうしているようにララはブラジャーとパンティをつけたままシャワーを浴びる。ペニスはテーピングして下腹は平らにしている。しかし彼女はそれに飽き足らず、ペニスを見せてと、数にものを言わせ強引に迫る。仕方なくララは下腹部を露出させる。屈辱と怒りで夜も眠れない。パパは何かあったと察知するが、ララは「何もない、パパ、大丈夫よ」というばかりだ。1日も早く女の体になりたいと切望は募る▼ララは頑張りが認められ学校に残ることになった。親戚が集まった新年のパーティーでパパが言った「僕たち家族にとって大事な年だ。ララの新しい人生が始まる。ここまでくるのはたいへんだったが、みんなと祝えて嬉しい」。パパは娘がどれほどストレスを抱えているかわかる。三人家族だ。ララには6歳の弟ミロがいる。パパと、ララとミロが遊園地に行き、乗り物に一緒に乗って笑いあうシーンが胸に迫る。温かい家族。あまりにもピュアに、一生懸命に生きるララ。映画を見ながら(ララがいじめられないか、ひどいこと言われないか)ハラハラした方、きっとおられるでしょ。わかるなあ。

 

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