女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「ベストコレクション」

2020年7月25日

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」④ 
天才たちの頭の中/世界を面白くする107のヒント(下)(2019年 ドキュメンタリー映画)

監督 ハーマン・ヴァスケ

出演 文中に含む

シネマ365日 No.3273

笑顔も創造性の一部 

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」

「あなたはなぜクリエイティブなのですか?」の質問と回答が続きます。

 ▼ネルソン・マンデラ(大統領時代)=Q「世界の諸問題を解決する手段として創造性は必要ですか」

 A「常に「求められる。固定観念に囚われた意見は必要ない。真摯に解決を望むなら創造的であるように努め、視点を変えた場合でも問題との関連性を保つ。それ以外に方法はない」

 ▼ヴィヴィアン・ウェストウッド(ファッション・デザイナー)=政治は民主主義の世界に何の変化ももたらさないわ。政治家と呼ばれる人はその地位にしがみつき大衆に迎合するのよ。一般化した偏見を許し「普通さ」を持ち上げる。過去の変化は善意ある独裁者のおかげね。物事を変えていくのは文化だと思う。私は文化の信奉者よ。

 ▼ヴィム・ヴェンダース(映画監督)=霊的な考察はこの世とは別の世界の存在を認識させる。創造性を育むのにはもってこいだ。ローマ法皇フランシスコは私を驚かせた。彼はこう言ったのだ。「芸術家は美の使徒だ、人はみな芸術家です。創造性は誰の心にもある。何気なく浮かぶ笑顔も創造性の一部なのですよ」

 ▼ダライ・ラマ(宗教家)=なぜクリエイティブなのか? 私は生きているからね。脳みそも働く。考えることを止められないのだ。瞑想している時でも多くの考えが浮かび、脳はフル回転する。人間のユニークな資質にイメージする能力がある。それを介して創造力が生まれ、可能性を広げる。創造性のおかげで人類の文明や発展は他の哺乳類に比べ高度で速やかだ。だが創造性には弱点もある。誤った方向に悪意を持って使われたら厄災は増えるばかり。私の考える創造性とは、人間の知性から生まれるものだ。それには良識と善意が求められる。

 ▼スティーヴン・ホーキング(科学者)=創造絵的であるかないかは周囲が決めることだ。創造性と科学はどちらが重要かという質問はナンセンスだ。科学の探求には創造性が要る。創造性なき科学は古い数式を蒸し返すだけ。どこかへ着くよりも希望とともに旅を続けたい。

 ▼シャーロット・ランプリング(女優)=バラバラになりそうな自分を支えるものよ。

 ▼ミヒャエル・ハネケ(映画監督)=ムカデがなぜ歩くか尋ねてはダメだ。枝から落ちてしまう。作曲家マーラーの例もある。彼はフロイトに精神分析を頼んだ。彼は創造性を失う恐れがあるとして断った。つまり、君の質問は創造的な人にとって致命傷になりかねない。

 ▼クゥエンティ・タランティーノ(映画監督)=寝る前に思うんだ。僕らは多少優れた点を持っている。生まれつき備わっている資質だ。僕に創造性があるとしたら生まれつきだよ。幸運な授かりものだ。才能に見合うよう努力しなければならない。それは自分次第さ。

 ▼マリーナ・アブラモヴィッチ(アーティスト)=人が持つ大きな恐怖の一つが死よ。誰もそれを語らないし認めようともしない。家族の死に直面しても自分の死は考えたくないのね。私たちに必要なのは、この世にいるのは一時的だという認識。それをもてたら人生はずっとマシになる。「クリーニング・ザ・ミラー」という私の作品は文字通り鏡を磨いて綺麗にする。そこに写っているのは自分の骸骨。鏡の曇りを取り去ることで死への恐怖を振り払うの。

 笑顔も創造性の一部だという言葉はとてもやさしく響いた。ミヒャエル・ハネケは、創造と分析は別のものだと明晰に答えています。創造性とは双刃の刃だとダライ・ラマは言います。用い方次第だと。科学と創造性は結局ひとつのものだと、ホーキング博士が指摘すると説得力がある。シャーロット・ランプリングは彼女らしい、木で鼻をくくったような短い答えですが、女優としての本音だと思えます。

 

あなたにオススメ