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特集「ベストコレクション」

2020年7月26日

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」⑤ 
容疑者Xの献身(2008年 ミステリー映画)

監督 西谷弘

出演 福山雅治/堤真一/松雪泰子/柴咲コウ

シネマ365日 No.3273

ブチ壊すのはいつも女 

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」

そうかア、犯人・石神哲哉(堤真一)は「完璧なアリバイが作れないなら犯行日時を変える」と考えたのですね。その上実際に人を殺して自首し、守りたい花岡靖子(松雪泰子)とその娘美里を、警察の手が出せない安全地帯に置くわけ。石神は大学時代から畏怖されるほどの数学の天才だったが、親の介護で断念、高校教師となってアパートの一室で数学を極めたいと打ち込んでいる。原作を読んでいませんので、映画を見た限りの感想です。この映画、世評の激賞を受けるほどいい作品なのでしょうか。親の介護で本業リタイア、なんて女子社員がカドを立てず辞めたいときに使う定番よ。自他ともに許す天才数学者にしちゃ、欲も希望も夢もなさすぎる。天才は天才を知るという構図で、もう一人出演する天才が、物理学の湯川(福山雅治)。どうして彼は物理学者も坂本龍馬も同じ顔に見えるのでしょう。顔面筋をもっと鍛えるべきだわ。柴咲コウ。女性刑事だけど全く冴え場なし。これじゃ「ザ・ブリッジ」のサーガ・ノレーンや「第一容疑者」のジェーン・テニスンに太刀打ちできないね▼人生に絶望し首を吊ろうとしていた石神の部屋に、花岡母娘がお弁当を下げて引越しの挨拶に来る。彼女はお弁当屋を開業したばかりだ。温かみに癒された石神は自殺を思いとどまり、毎日彼女の店で「おまかせ弁当」と買う。元夫のDV亭主が居所を突き止め、金の無心に来る。ゾッとする男だ。もう来ないでと強く出たら殴る、蹴る、止めに入った娘にまで暴力、靖子は夢中で男をコタツのコードで絞め殺す。隣の部屋で騒々しい物音を聞いていた石神は状況を察知して部屋を訪問、元夫の死体を発見。二人が逮捕されないよう「論理的思考」を駆使する。その後、石神は細々と母娘のアリバイを指示、一方で罪もないホームレスを殺し、指紋を焼き消し、遺体発見現場に元夫の指紋をつけた自転車を放置、死んだのが元夫だと工作する。確実なアリバイによって母娘は容疑から外れた▼いずれ警察は本物の元夫の死体を発見するかもしれない、当然容疑は母娘に、しかし殺人犯が明らかになれば一事不再理、彼女らに二度と捜査の手は及ばない、石神は自分が犯人だと自首しますが、靖子は警察へ真犯人は自分だと名乗り出る。石神は驚倒する。「なぜだ、なぜそんなことをする」。せっかくの完全犯罪(母娘を守ることが彼の完全犯罪)を…「ああーッ」石神は無念のあまり絶叫する。湯川は石神が人を殺すような男じゃないと信じている。犯人は花岡靖子以外にない、それじゃ自分で犯人逮捕に協力すればいいものを、靖子を説得して自首させるなんて、これ、男の友情ですか。関わりたくないだけではないの? そういう点が胡乱に見えて感動するのが難しかった。堤真一のうらぶれた天才数学者が唯一「らしかった」かも。本作の落とし所は、物事ブチ壊すのはいつも女だってことね。天才の論理的思考も靖子の行動までは読めなかった。「なぜだ!」と叫ぶの、無理ないけど、ちょっとかわいそうだった。

 

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