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特集「ベストコレクション」

2020年7月27日

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」⑥ 
グッドライアー 偽りのゲーム(上)(2020年 ミステリー映画)

監督 ビル・コンドン

出演 ヘレン・ミレン/イアン・マッケラン

シネマ365日 No.3274

孤独を感じさせない人 

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」

イギリスの二大名優の騙し合い、見ごたえありました。裕福な老女性をカモにする詐欺師ロイ(イアン・マッケラン)が、出会い系サイトで目をつけたのが、未亡人ベティ(ヘレン・ミレン)。ロンドンで、2009年のことです。レストランで落ち合うことにした二人。ベティは孫のスティーヴンが唯一の家族だと寂しそうに微笑み、ロイはオーストラリアに一人息子がいるが疎遠だと、お互い孤独な境遇を教えあう。ベティを見送ったロイはストリップクラブの別室で詐欺仲間のヴィンセントが連れてきた投資家ブリンと会合、ハイリターンの投資を持ちかける。相手はロシア人だと聞いたブリンは「コサックは嫌いだ」と怒り出す。ブリンをなだめたロイは再度ビルの一室にロシア人ヴラドを招いて投資に合意、どちらもが大金を送金した。ブリンを笑顔でハグするヴラドの背中に手を触れたブリンは盗聴器だと騒ぐ。警察が踏み込む。ブリンは逃走。ロイはにっこり、警官役、投資家を装ったヴラド、ヴィンセントと乾杯▼詐欺の小技が具体的です。ロイとベティはデートを重ねる。膝の痛みで階段を上り下り、歩行に苦しがるロイを見かねて、ベティは足の痛みが引くまで自分の家で滞在するよう勧める。孫は祖母が急速に親しくなったロイにいい顔をしない。ベティの資産が約300万ポンドと知ったロイは、5年後に倍になる投資話を持ちかける。改めてヴィンセントを伴い会合の席を設けたロイは、投資金額を倍に引き上げた結果、2万ポンドという大きな収入を得た、1万ポンドをスティーヴンに委譲、残りを二人で使おうというロイにベティは感激、亡き夫とパリ、ベルリンに行くのが夢だったと懐かしそうに打ち明ける。ベティが発作を起こした。かかりつけの医師はベティの不養生を咎め、きちんと薬を飲まないのなら1年と持たないと宣告する。ロイはベティの希望であるベルリンに行くと決める。ベルリンに到着するとスティーヴンが現れた。ロイに対する無礼だった態度を謝罪し、自分はベルリンをよく知っているので案内すると申し出る。ベティは別行動で街の一画にある建物に来た▼ここまでややまだるっこかった映画は急旋回します。翌日スティーヴンはあるアパートにロイとベティを案内しロイの正体をバラした。ロイは元英国陸軍ライン軍団中尉。ナチ狩りの任務によりベルリンの潜在者ガイガー、元ベンセル収容所管理者の捜索に、ドイツ語通訳ハンスを伴い、向かった。ガイガーが発砲しロイは顔を撃たれ死んだ。ハンスは暗い惨めなドイツを脱出し、イギリス人ロイとなりすます。スティーヴンは「ハンスは60年を生きのび、罪を償いもせずにいる!」「私は善良なイギリス人として正直に生きてきた」とロイ。「嘘だ。多くの犯罪を犯したくせに」。ここでベティが割って入る。「祖母を救う気なのね、スティーヴン」。咎める口調に「僕は邪魔者か!」孫、怒って出て行く。ベティは穏やかにロイに話しかける。「自分がわかっている? 私に孤独を感じさせない唯一の人よ。家に帰りましょう。ヴィンセントを呼んで。共同口座を開きましょう」ロイ「いいのかい?」いいはずないでしょ。ベティの、いやさ、ヘレン・ミレンの本領発揮はここからなのだ。

 

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